681-1 強度行動障害の予防に欠かせないこと
「強度行動障害」という考え方があります。
強度行動障害とは、他害や自傷行為が通常考えられない頻度と形式で起こる状態のことです。
家庭で通常の育て方をし、かなりの養育努力があっても、一般的な養育環境では対処が難しい状態が続きます。
「障害」と名前はついていますが、病名ではなく、状態像の呼び方です。
重度の自閉症や知的障害を持っている方の強度行動障害について詳しい児童精神科医の先生によると、強度行動障害の予防や、すでにその状態になっている人の心身の負荷の軽減のために絶対に欠かせないのは
本人から自発的なコミュニケーションが取れるようにすること
だということです。
681-2 10のコミュニケーションスキル
先生が臨床の場で特に重視するコミュニケーションスキルとして挙げておられたのは、以下の10項目です。
- 欲しいもの・したいことを要求する
- 手助けを要求する
- 休憩を要求する
- 受諾(はい、YES)を伝える
- 拒否(いいえ、NO)を伝える
- 感情・体調を伝える
- 「待って」と「ダメ」を理解する
- 指示を理解する
- 移動・活動の切り替えを理解する
- スケジュールを理解する
681-3 健やかな心でスムーズな社会生活を送るための10項目
逆に言うと、行動障害の状態になるかならないかを分けるのが、この10のスキルの有無だということですね。
(もちろん行動障害の要因はこれだけではありませんが)子供たちのかんしゃくやパニックなど、いわゆる不適切行動が起こる場面を考えてみると、この10項目の重要さは大変納得がいきます。
もしかすると、大人自身でも、実はうまくできていない項目があるかもしれません。
相手に遠慮してNOと言えない、感情をうまく伝えられない、なんていう方、意外と多くいらっしゃるのではありませんか。
子供たちと一緒に、大人自身も、自分の中に10のスキルを育んでいけると良いかもしれませんね。
本日は以上です。
それでは、また。
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