647-1 「今日何があったの?」と聞いても答えないお子さん
未就学~小学校低学年くらいのお子さんの親御さんから、こんなご相談を伺うことがあります。
- 「今日、何があったの?」と尋ねても、何も言わないか、「わからない」と答えるばかり
- 先生からエピソードを聞いて「〇〇ちゃんと遊んだの?」「〇〇ゲームをしたんでしょ?」などと具体的に尋ねてもはかばかしい返事をしない
- 周囲の子はもっと親御さんと楽しくお話をしているように見えるのに・・・
それで親御さんは、うちの子は話すのが不得意なのではないか、というご心配を持たれるのですが、、、
会話には、内容によって「難しさの質」に違いがあります。
647-2 答えやすい質問と答えにくい質問がある
話をするときには、5W1H、すなわち「誰」「どこ」「何」「いつ」「なぜ」「どのように」「どうした」などの要素を整理して言葉にしていくことになります。
- この中で、最も話しやすいのは「何を・どうした」だと言われています。
- 「どこ」「誰」は、尋ねれば答えてくれる場合も珍しくないようです。
- 一方、「いつ・なぜ・どのように」は難しい問いです。
「いつ」については、時間や時期についての概念を使いこなせるようになるのが8~9歳になってからと言われており、幼児さんには難しい質問だと言えるでしょう。
「なぜ・どのように」に答えるには、複雑な状況や自分の気持ちを表現するための語彙、表現力、内省力が必要になります。
こうした能力が十分に発達するのは小学校高学年以降と言われており、これまた幼児さんには難しい質問です。
お子さんから会話を引き出すには、最も答えやすい「何を」「どうした」からアプローチしていくのが得策でしょう。
647-3 話せても、話せなくても
質問の仕方が難しいと答えるのを諦めてしまう場合もありますので、「今日は〇〇ちゃんとボールで遊んだの?」ではなく「今日、ボールした?」などと言葉をシンプルにしてみるのも一つの手です。
また、子供たちは基本的に、ネガティブな出来事よりポジティブな出来事のほうをよく話す傾向があります。
どんなことでも話してよいのだという安心感を醸成するのも大切ですが、会話の練習の際には、まずはポジティブな話題から扱っていくと抵抗が少ないでしょう。
なお、目が合わない、自発的なコミュニケーションを取りたがらない、発語がないなど、発達特性の影響が大きいと思われるお子さんには、会話の前段階として、人と関わることが心地よい、嬉しいと思ってもらえるようなアプローチがまず必要かと思います。
話せても、話せなくても、お子さんが今日という一日を精一杯に過ごしたことに変わりはありません。
もちろん大人自身もです。
園や学校から帰ってきたお子さんと、お家の中でただ素直にそれを喜び合えたら、それが一番のコミュニケーションなのかもしれませんね(^ ^)
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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