632-1 ペットボトルの中身をこぼして気づいたこと
昨晩、子供がテレビに気を取られながらペットボトルのフタを開けようとして、中身をこぼしました。
それを見て気づいたのですが、大人はよそ見しながらペットボトルを開けてもこぼしません(たぶん)。
こぼさないようにペットボトルを開ける、という動作一つでも、無意識にさまざまな感覚を使いこなしていたことを改めて認識しました。
ペットボトルのフタを開けるには、片方の手でボトルを固定し、もう片方の手でキャップをねじります。
固定した側の手を反対側にねじることでキャップのねじりを応援することもありますね。
この動きをするためには、
- 手首を柔軟に・左右別々に動かすこと
- その前提として体幹がしっかりしていること
- 対象物を感じ取りながら自分の力の出し方を調整すること
- 指先で対象物を感じ取ること
- 動作全体を通して水平を保つこと
といったさまざまな機能やスキルが要求されます。
現代人の生活では手を細かく器用に動かすことが要求される場面が多いため、手先の不器用さは療育や教育の現場でもよく課題になります。
632-2 手の運動が育つステップ
手の器用さを育むにはいくつかのステップがあります。
1.感覚を育む
たくさんのものに触れ、皮膚や筋肉の感覚を育む段階
2.土台を育む
肩、腕、手首の安定や手全体の動きを育む段階
3.手指のイメージを育む
脳の中に自分の5本の指と手のひらのイメージ(身体図式)を育む段階
4.感度の良さと力加減を育む
対象物に合わせて運動を微調整する段階
5.両手の協調運動を育む
左右の手が役割分担しながら同時に動作を行う段階
6.全体を統合する
連続した動作を順番通りにタイミング良く行う段階
先生やメソッドによってもまとめ方に多少の違いはあると思いますが、おおむねこのような順番で、手の働きが育っていきます。
632-3 育ちの段階を見極めた支援を
不器用が気になるお子さんには、その子が今いる段階に合わせた支援が大事です。
たとえば2の土台ができていないのに5の両手の協働を求めても無理があります。
が、現実には、まだその段階にない子に鉛筆で文字を書かせようとする、といったことがしばしば起きています。
指導する大人も努力する子供も、どちらにとっても苦しくなってしまう状況ですね。
作業療法士の先生などにその子の現在地を見極めていただいて、その子に合った練習ができれば理想的ですが、なかなかそうは都合がつかないご家庭もあることでしょう。
そこで、明日から、それぞれのステップの力を遊びながら育める関わりをご紹介していきます。
ご家庭で簡単に取り組めるものを中心にご紹介する予定です。
お楽しみに(^ ^)
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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