616-1 ▼ 間違って覚えたものをなかなか覚え直せないとき
かけ算や漢字を間違って覚えて、何度練習してもなかなか正しいものが身につかないという子がいます。
一度間違って覚えてしまうと、あとから正しく覚え直すのは、大人でも難しいものですよね。
身体の原理原則からのアプローチ法を考えてみましょう。
身体には、「あえて間違う」ことをすると、反動として無意識のうちに自然な働きに戻る、という現象が発現します。
たとえば、猫背を直したいと思ったら、多くの人は肩や背中に意識を向けて背中をピンと伸ばすと思います。
でもこれだと、肩や背中の意識を抜くと、またダランと猫背に戻ります。
これを逆に、思い切り猫背になってみます。
いわば、「背筋の伸びた(正しい)姿勢」を、徹底的に間違ってみるということです。
その状態で10数えて、ふっと意識を抜くと、自然に背中が伸びます。
いわゆる「背筋をピンと伸ばした」姿勢ではなく、肩の力の抜けた、無理のない、その人の身体にとって最もナチュラルな姿勢に戻るのです。
616-2 ▼ 間違いだと理解しながら、あえて間違ってみる
これを学習に活かしてみます。
たとえば九九です。
「さんしちにじゅういち(3×7=21)」を、「さんしちにじゅうし」と間違って覚えているとします。
多くの場合、こういう時は、正しい計算であるところの「さんしちにじゅういち」を何度も繰り返して覚えようとするでしょう。
逆に、「さんしちにじゅうし」を繰り返してみてください。
大切なのは、これは間違いであるということをしっかり念頭に置くことです。
「さんしちにじゅうし」は間違いだ、と意識しながら「さんしちにじゅうし」を繰り返すと、同じ間違いをしなくなります。
「さんしちにじゅういち」の響きにも聞き覚えはあるけれど、「さんしちにじゅうし」のほうが真っ先に頭に浮かぶ、というあたりまで来ている子なら、かなりの確率で「さんしちにじゅういち」を答えられるようになると思います。
616-3 ▼ 正しい方向に勝手に戻る、身体の力
わたし自身も、この方法で、長年覚えきれなかったいくつかの漢字を正しく覚えることに成功しました。
(2~3個の正答候補があって、どれかが確実に正解なのはわかっているのだけれど、どれが正解だったかは実際に書いてみないと思い出せない、という状態で、何十年もどうにかやり過ごしていた漢字がいくつかあったのです。「博」「郭」「戒」など。)
「あえて間違ってみる」というこの方法。
合う合わないはあると思いますが、意外にハマる子がいるかもしれません。
ピンと来ることがあったらぜひ試してみてくださいね。
「あえて間違ってみると、正しい方向に勝手に戻る」という身体の原理原則は、あなたの身体の中にも眠っています。
ご自身の身体で体感してみたい方は、ぜひ身体セルフケアオンラインレッスン、またはバランスセッションにお越しください。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
自分の身体からの答えを知りたい方へ
身体の現在地を認識する
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心身と対話する静かな時間をお過ごしください
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あなたの身体の中にある「今もっとも必要なこと」「いま伸びたいと思っている芽」をそっと後押しします