610-1 ▼ トレイの存在感
前回はこういう記事を書きました。
男の子がおそばを食べる様子から、学習時の机上作業などでも「まず対象物を自分の身体の正面に持ってくる」という手順を教えてあげることもアリですよ、というお話でした。
今回は後編です。
男の子の様子からもう一つ気づくことは、「トレイの存在感」です。
男の子は、料理の載っているトレイを「自分のスペース」として扱っていました。
自分のスペースから小皿一つでも外に出すことをしなかったわけです。
610-2 ▼ 作業スペースを明確にする
実際、こうしたスペースは、人の意識を集中させる力があります。
机上の学習に集中できない子、目の使い方が未熟な子などは、学習机の上に紙・マット・トレイなどで「作業スペース」を作ってあげると、作業効率や集中度が増すことがあります。
限られたスペースの中だけを見ていればよくなるからですね。
大人でも、必要な道具を「あれはどこに行ったっけ?」といちいち探すより、手を伸ばせばすぐ取れるところに全部揃っていたほうが集中しやすいでしょう。
学校では一般的には自分の机の上が自分の作業スペースになりますが、机一台分のスペースでも集中するには広すぎ、曖昧すぎる子もいます。
そうした子にはこうして「作業スペースを明確にする」ことを試してみるのも一つの手です。
610-3 ▼ 机の使い方を教えるのも手
一方、机のスペースが狭すぎてうまく使えない子もいます。
道具を何でもかんでも広げて、机をはみ出したり、床に落としたり。
ものがありすぎて自分の正面にノートを置けず、身体をねじ曲げるようにして筆記する子もいるし、教科書とノートが重なってしまって、鉛筆を下ろすたびに揺れるような不安定な紙面に書く子もいます。
こうしたときは、「机の使い方」を教えてあげるのも手です。
鉛筆と消しゴムだけ出して筆箱は机にしまう、教科書は半分に折って左側に置く、ノートを自分の正面に置く、などなど、道具の扱いがスムーズになると、学習そのものもスムーズになります。
何もかもルールで縛る必要はありませんが、限られた授業時間、限られた学習スペースをうまく活用するには、いったん枠組みを教えてあげるのも一つの方法でしょう。
ご参考になることがあればぜひ。
本日は以上です。
次回の配信は5/9(月)です。
それでは、また。
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