599-1 ▼ 手でものを持ち続けるのが難しいときは
発達段階の幼いお子さんや手指の操作に苦手さがあるお子さんは、何かを手渡してもすぐに落としたり投げ出したりしてしまうことがあります。
一定の時間、手でものを扱うことができないと、生活動作を遂行することができません。
こうした発達段階にあるお子さんには、言葉で「落としてはいけません」「持っていてね」等と声かけしても受け取ってもらえないことが多くあります。
そういうときは身体の感覚に目を向けましょう。
今回は「重さ」を見てみます。
599-2 ▼ 重さの活用
わたしたちの身体は「重さ」を無意識に感じ取っています。
重さとは、重力です。
坂道を下りるときに身体に勢いがつくのも、ゴミ箱をめがけて「入りそうな軌跡」を想定してものを投げるのも、すべて「重さ」の体感が息づいています。
重さをわかりやすく体感するには、ちょっと力を入れないと持てないくらいの重いものを持ってみるといいでしょう。
たとえば2リットルのペットボトルを持ったときには、腕の筋肉が張って重さを支えると思います。
そのあとに500ミリリットルのペットボトルを持つと、筋肉の緊張の度合いが変わるはずです。
さらにそのあとに手のひらにマッチ棒を載せてみると、もはや重さを感じ取れないほどになりませんか。
こうした重さの体感の違いは、育児療育にも活用できます。
599-3 ▼ 身体が受け取りやすい重さ
ものを落としたり投げ出したりしてしまう子に、少し重みのあるものを渡してあげると、持ち続けていられることがあります。
上の例でいけば、マッチ棒は落としてしまう子でも、500ミリのペットボトルは持っていられるかもしれないということです。
ほどよい重さの体感があると、筋肉が張って「ものを持っている」という実感を生み出してくれるからです。
身体が物体を受け取ってくれやすくなるのですね。
筋力や手の使い方によって、持ちやすい形状・手触り・重量があります(500ミリのペットボトルはちょっと重いかもしれません)。
日常生活で使う道具や、机の上で行う学習課題での教材教具を考えるとき、「重さ」にも目を向けてみてください。
効率が格段に向上する例もありますよ(^ ^)
本日は以上です。
それでは、また。
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