518-1 ▼ しなくなる遊び
子供たちには、「しなくなる遊び」があります。
夢中になってそればかり遊んでいたのに、ある時が来るとふっと手放す。
そしていつの間にか次の遊びに夢中になっている。
そんな様子を身近にご覧になったことがある方も少なくないのではないでしょうか。
特に未就学の子供たちのその傾向はわかりやすいですね。
この時代には成長発達の幅が広く速いため、年少~年長さんの遊びを比べると、たった1~2年の差で、まるで違う遊びを遊んでいる子が多くいます。
大人が趣味で一生続けるような遊びとは異なり、子供たちの「しなくなる遊び」は、その子が発達上の何かを獲得するために必要だったプロセスと考えられます。
その子がいま夢中になっている遊びには、その子の成長発達を促す何かがあるはずです。
一つの遊びを通して十分にそれが満たされると、自然に次の発達のステップに進みます。
518-2 ▼ 自分に必要なものを選び取る力
子供たちには自然と自分に必要なものを選び取る力があります。
その力は、先に進むという点でも発揮されますし、「進まずにとどまる」という点でも発揮されます。
中には一つのステップに長くとどまるお子さんもいます。
他の多くの子が次のステップに進んでいるのに、一人だけとどまっているという状況は、親御さんからすればさぞ気がもめてご心配なことと思います。
たとえば周囲の子が迷路をスラスラと解いているときに、一人だけぐちゃぐちゃ描きしかできなかったりすると、発達的には多少気にかかる場面かもしれません。
実際にそうしたご相談も多いのですが、就学に向けたプレッシャーも加わって、親御さんのご不安やお辛いお気持ちがひしひしと伝わってきます。
518-3 ▼ 子供は自分で選べます
でも、そこで無理をして先のステップに進ませることが、本当にその子の成長発達に寄与するかどうかはわかりません。
大人の後押しで発達が促される子も確かにいますが、迷路を解く楽しさは、迷路を解く準備ができてからでないと感じられないのもまた確かですから。
その子がぐちゃぐちゃ描きを必要としているなら、ぐちゃぐちゃ描きをたっぷりさせてあげつつ、たとえば紐に通したビーズを先端から終端に移動させるといった活動を通して「始まりと終わりのある一本の線」を体感してみるのが一つの手です。
わたしたち大人自身も、いつのまにか自分が「しなくなった遊び」がないでしょうか?
その遊びをしなくなった時のことを思い出してみてください。
そして、お子さんの選ぶ力、育つ力、変わろうとする力をぜひ信じてあげていただけたらなと思います。
本日は以上です。
それでは、また。
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