222-1 ▼ コミュニケーションの本質
昨日は、触れることは、話すことと同じようなコミュニケーションのツールだ、と書きました。
現代人のコミュニケーションは、どうしても「思考で把握できる意味を伝え合うこと」が中心になりがちです。
が、コミュニケーションを「響きを伝え合うこと」と捉えると、触れることは、余計な雑音のない、より本質的な関わり合いができるツールとして活用できるようになってきます。
さて今日は、「頼むとき」「頼まれるとき」に、心に留めておいていただきたいポイントをお伝えします。
特に、「触れるとき」には、言葉で話すときのように表面を飾ることができず、雑音なしにこちらの思いが伝わっていきますから、一層心がけたいところです。
222-2 ▼ 一番大切なポイント
一番大切なのは、
自分がなんとかしてあげたいとは思わないこと
です。
働きかける対象がお子さんでも成人の方でも、確実に言えることです。
なんとかしてあげたい、と思うと、言葉にも身体にも力みが入り、相手に圧が伝わります。
圧が伝わると、相手は緊張し、反発します。
圧をはね返してくるイメージです。
あるいは、自分の意思を押し殺してこちらに従おうとします。
圧を受け取って内側に押し込めていくイメージです。
押し込めた圧はいつか限界が来て爆ぜます。
最近はこちらのタイプの方が多いようにも思います。
222-3 ▼ 相手の人生のタイミングを信頼しよう
療育の現場では、この「なんとかしてあげたい」は必ず通る道だと思います。
それは決して悪いことではありません。
「なんとかしてあげたい」という心の動きがなければ支援が始まらないのですから。
「なんとかしてあげたい」は、物事を動かすための大切なプロセスの一つです。
療育や育児において本当に大切にしたいのは、自分が相手を導いてあげる、自分が思う理想の場所に連れていってあげることではなく、相手が本来持っている力を引き出すことです。
相手の力を引き出すには、こちらがどうにかしようとする必要はありません。
相手には相手の人生のタイミングがあります。
「なんとかしてあげたい」という自分の思いをまっすぐ相手に向けるのではなく、一度大空に向かってふわっと投げ上げて、それがいつかベストなタイミングで落ちてくるのを待つ、くらいの気持ちでいると良いのだろうなと思っています。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
自分の身体からの答えを知りたい方へ
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