こんにちは。三輪堂です。
面白く生きる連載、197通目です。
197-1 ▼ 自分自身の見通しを持つこと
療育ではよく「見通しを持つ」という言葉が使われます。
園や学校などの集団行動の場でお子さんがその場にふさわしいふるまいができない時、さまざまに考えられる理由の中の一つが「次に何をしたらいいのかわからない」「自分が何を求められているのかわからない」ということ。これがいわゆる「見通しが持てない」状態です。
こういったお子さんには、次の活動内容をより丁寧に提示したり、活動の全体像を事前に示したりする支援がよく行われますね。
「見通し」とは、大人がやってほしいことを伝えてその通りに動いてもらうことではありません。お子さん自身が、自分はどんなふるまいをすればよいのか、というイメージを持つことが重要です。
このあたりの意味がいつの間にかすれ違ってしまうことがあるので、大人は働きかけに注意したいものですね。
昨日お伝えした「大人が望む方向に子供を押して行かない」ということにもつながってきます。
197-2 ▼ 大人もなんとなく見通しを持っている
その意味でいくと、多くの大人は自分の「見通し」を持っています。
たとえば何時に会社に行って、どの席に座って、どんな仕事をして、何時に休憩して、何時に帰るのか。
どんなプロジェクトをどんな順番でいつまでに終わらせるのか。
何時までに掃除を終わらせて、何時までに夕飯を作り終えるのか。
明確に言語化はしないまでも、あなたもなんとなく「今日一日の活動の流れ」のようなものを頭の中に持っているはずです。
もっと抽象度の高いところで言えば、「人生をかけて~~を成し遂げたい」という高い志を持って日々の生活を過ごされている方もおられることでしょう。これも一つの見通しですね。
目的地なしに歩くのは誰にとっても難しいものです。
見通しを持てない子供たちの混乱からもそれがよくわかります。
子供たちへの支援において、見通しを持てるように・自分の目的地がわかるようにサポートしてあげるのはもちろんですが、わたしたち大人自身も、自分の目的地を明確に設定してあげたいものですね。
197-3 ▼ 目的地を設定して一日を始めてみよう
これまでにも何度か、目的地(と現在地)という話をしています。
どちらかというと目的地よりも現在地を認識するほうが身体の原理原則から見ると動きが発展しやすいですよという話をしてきましたが、だからといって目的地が大切でないわけではありません。
電車でどこかに向かう時、終着駅だけを把握して行動するのと、途中の乗り換え駅と接続路線を明確に把握して行動するのとでは、どちらのほうが迷わずに行動できるかは一目瞭然です。
多くの方は「会社に行って~~をする」「~~という家事をする」という感じのおおまかな目的地は常日頃から持っていると思うので、それをもう少しだけ明確にしてみることをお勧めします。
「今日一日、何をするか」
「今日が終わった時点で何を達成できていれば成果と言えるか」
これを決めてから一日の活動を始めてみるだけで、その日の過ごし方のスムーズさ、充実ぶりが変わってきますよ(^ ^)
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。