487-1 ▼ 聞く力を育む練習方法
前回は、聞く力に弱さのあるお子さんにありがちな状態像と困り感をかいつまんでご紹介しました。
聞く力をサポートする練習方法には、「段階」があります。
算数の学習が少しずつステップアップしていくのと同じ考え方ですが、「聞く」という捉えどころのない動作においては、指導者にとっても細かく段階を区切るのが難しいことがありますね。
そこで今回は、聞く力を高める練習方法を「段階を追って進める」一例をご紹介します。
487-2 ▼ 段階を追って進めていこう
STEP1:活動の始まりと終わりを明確にする
指導者の合図で行動を始める/終わる練習をします。
お勧めは「横になって動かない」練習です。
短時間から始め、最終的には1分ほど動かずにいられることを目指しましょう。
STEP2:集中して聞き取る
ぐるぐる描きを続ける等のごく単純な作業を行い、その子自身が合図を聞いて行動開始/終了できるかを確認します。
周囲の動きを見て動き出すようでは、まだ「聞けている」とは言えません。
STEP3:指示を聞き取り続けて正しく行動する
一度の指示で一つの行動を行う作業を繰り返します。
(マス目の紙を用意して、右上に丸を描いてください→その下を黄色で塗ってください→真ん中に5を書いてください、など)
大人の指示を聞いていないと求められる動きができないような内容にします。
一定時間、指示を聞き取り続ける緊張感を保つ練習にもなります。
STEP4:指示内容を理解して行動する
一度の指示で複数の行動を連続して行う作業に取り組みます。
(1から4までは赤で、5から10までは黒で塗ってください、など)
この段階まで来ると、話を集中して聞き取り、かつ指示内容を理解して、行動に反映できるようになっていきます。
以後は、STEP4の課題の内容をより複雑にしていき、練習を深めていきましょう。
487-3 ▼ お子さんに合わせて課題内容を調整してあげてください
以上、「聞く」ことを段階を追って深めていく例をご紹介しました。
今回の記事でご紹介したのはあくまでも概要です。
一つのご参考としてご覧いただき、実際に支援に取り入れる際は、お子さんの現在の状況、文字や数字の理解度、読解力や筆記力などに応じて課題内容を調節してあげてくださいね。
お困りの際はどうぞオンラインセッション(メール、ZOOM、電話、対面等でのご相談)までご相談ください。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
- 療育のセカンドオピニオンが欲しい方
- 一般的な療育支援分野とは違う角度からアドバイスが欲しい方
- 漠然とした不安や言葉にしづらい”何か”があってクリアにしたい方
ぜひ一度「オンラインセッション」にお声掛けください。
育児・療育は親子の育ち合いです。
お子さんのお話だけでなく、親御さんのお話を伺うことも大切な時間です。
うまく書けない・しゃべれないと思う方もご安心ください。
ゆっくり丁寧にあなたの中にある”何か”を引き出します。