こんにちは。三輪堂です。
面白く生きる連載、132通目です。

132-1 ▼ 言葉を使う支援と使わない支援

昨日は、くらげ体操によって考え方も部分視点から全体視点に切り替えることができるという話をしました。
今日はちょっと別の角度から書いてみます。

療育は、大きく二つに分けることができると思っています。
一つは、主に言葉を使って働きかけるもの。
もう一つは、主に言葉以外の体感を使って働きかけるものです。

どちらが良い悪いではなく、状況に応じた使い分けが必要だと考えています。

以前お会いした先生は、ものすごく声かけのうまい方でした。

たとえば漢字を書くのが不安で手が止まりがちな子を支援する時、「そこまで合ってるよ」「うまい!」「それでいいよ!」と、様子に合わせて声をかけてあげていました。それが実にベストタイミングで、その子が迷い出す一瞬前のタイミングにピタッ、ピタッとはまっているのです。
先生ご自身で意識されているかはわからないのですが、普通よりもコンマ何秒か早めに声をかけていると感じました。

132-2 ▼ 体感を活用すると深くまで届く

ヒントを出す時、一般的には生徒が自分で考える間を少し取ると思いますが、先生はこの子の場合には、本人が考えて不安になるほんの数瞬前に「次は田んぼの田だよ」などとヒントをあげていました。

といって、何でもかんでもヒントをあげるわけでもなくて、字によっては、「この字はさっき書けたから大丈夫だよ、一人で書いてごらん」と、一文字書き切るまで一切声をかけずに穏やかに見守られることもありました。

これなどは、言葉というものを実に上手に活用されている例だと思います。

他方、言葉を使わない支援は、障害の程度が重いお子さんなどによくフィットします。
たとえば個数の概念を教える時に、必要な個数分しか入らない枠を用意してブロックなどを入れてもらうといった支援があります。3個分の枠なら3回ブロックを入れることになるわけで、この入れる動作・体感で、3という数の量感を伝えていきます。

言葉を使わない時はこのように動作や体感で伝えていくことが多いですね。
発達段階がある段階以上に進んでいれば、絵カードなどの視覚情報を活用することもありますが、体感を活用するとそれよりもっと深くまで届く気がしています。だからこそ、発達段階が幼いお子さんにもフィットする支援なのだと思います。

132-3 ▼ 体感でしかたどり着けないところもある

療育的なアプローチでもこんな風に、言葉と体感を使い分けています。
言葉を適切に使うと、相手の心の隙間や揺らぎをピタッと押さえてあげることができるし、体感を適切に使うと、言葉ではたどり着けない概念の深みに別の角度からアプローチできます。

くらげ体操は後者のアプローチです。
言葉を全く使わないわけではありませんが、主に体感によって、より深いところ、より全体的なところにアプローチしていきます。

言葉があるとかえって邪魔になってしまうこともあるような、自分の体感でしかたどり着けないところってあると思うんですが、
くらげ体操はそういうところにも、ごく自然にスルスルと入り込んでいけるんです。

本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。