429-1 ▼ 身体を使うアプローチに慣れている大人たち
昨日は、「身体を使う」と「身体の働き」の話を書きました。
昨日の記事はこちら
妊活中の方へのセッションから思う、身体の2種類の捉え方
https://sanrindou-members.com/go/5909/
昨日の記事でも、現代社会を生きる人の多くは「身体を使う」側に傾いているとお伝えしたように、
育児に携わる大人たち(保護者、指導者、支援者など)は、自分がいつもやり慣れている「身体を使う」側のアプローチで子供に関わろうとすることがほとんどです。
429-2 ▼ 身体が十全に「働く」から、「使う」ことができる
発達に大きな困りのないお子さんならば、「身体を使う」側のアプローチでもついていけます。
彼らの「身体の働き」は自然と発達し、仮にその時点では未熟だったとしても、あとあと追いついてきてくれるからです。
「もう少し大きくなったら自然にできるようになる」といった経験則で語られる場面がこれですね。
一方、発達障害のお子さんは、「身体を使う」側のアプローチではうまくいかないことが多くなります。
発達段階が幼いお子さんほどその傾向が強くなります。
「身体を適切に使う」ことは、十分な「身体の働き」を土台にして初めて成立するのですが、発達障害のお子さんはしばしば、「身体の働き」が、ところどころで過少に・あるいは過剰に働いているからです。
過少・過剰に働く例としては、感覚鈍麻・感覚過敏がわかりやすいかと思います。
自分自身の筋肉の働きや、皮膚の触感などの情報が、脳までスムーズに届かなかったり、脳の受け取り方が少しズレていたり、脳が受け取る度合いが低すぎたり高すぎたりすると、感覚鈍麻や感覚過敏として表れます。
429-3 ▼ 身体の働きを整えてあげるのが先
たとえば「字が書けない、書こうとしない」というお子さんがいたとします。
この子は感覚過敏があり、ものを触ることに苦痛や恐怖感があって、筆記用具に手を出そうとしないのだとしましょう。
その状況で、「身体の使い方(=鉛筆の持ち方、正しい姿勢、字の書き方等)」を教えても、ご本人には受け取れません。
まずは過剰に・過敏に働いてしまう「身体の働き」を整えてあげるのが先です。
「身体の働き」を整えた上で、初めて「身体の使い方」に入っていくことができます。
「身体の働き」に問題がなく、「身体を使うこと」に慣れ切った大人たちが、ついつい見落としがちな観点です。
わたしたち大人自身も、「身体を使う」ばかりでなく、自分の「身体の働き」にもう少し目を向けて過ごしてみてはと思う所以です。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
自分の身体からの答えを知りたい方へ
身体の現在地を認識する
心と身体のバランスを整える
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心身と対話する静かな時間をお過ごしください
あなたの身体がいま動きたいと思っている方向・速度・幅で波を通し、身体の現在地から心身のつながりを深めます
あなたの身体の中にある「今もっとも必要なこと」「いま伸びたいと思っている芽」をそっと後押しします