こんにちは。三輪堂です。
面白く生きる連載、84通目です。
84-1 ▼ クラゲ師匠のZOOM座談会
本日は、瀧本のクラゲ師匠が月1回行っている「ZOOM座談会」がありました。
この座談会では、毎回、特別ゲスト講師をお招きして、
①クラゲ師匠の講義
②ゲスト講師の講義
③クラゲ師匠とゲスト講師の対談+参加者との質疑応答
という感じの構成(たまに変わりますが)で、約2時間の座談会を行います。
瀧本は主にZOOMの操作を担当しているので、講義を集中して聞くというよりは、全体がスムーズに回るように裏方で気配りする役割をさせていただいているのですが、
この座談会がとにかく毎回とても勉強になります。
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今回のゲストの先生は、古武術の考え方をベースに、オリンピックに出場するようなアスリートから一般の方まで、幅広く身体の使い方を指導されている方です。
もともとは高校教員をされていたということで、人当たりも柔らかく、お話もわかりやすく面白く、ユーモアにあふれた、とても素敵な方でした。
84-2 ▼ 日常の所作の中にある秘密
興味深いお話がたくさんあったのですが、特に印象深かったのは、
【日本古来の日常所作の中に、身体の調子を整える秘密がある】
ということ。
たとえば、鉛筆の持ち方、お箸の持ち方、飲み物を飲む時に器に手を添える動きなど、わたしたちが日常的にごく当たり前に行っている動作が、実は身体の調子を整えるカギになっているというのです。
それらの動作がどうカギになっているのか?は、長くなるので省きますが、
ご家庭の躾や学校の指導の一環として、お箸や鉛筆の持ち方をしっかり教えることには、こういう意味があったんだなと、改めて実感しました。
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ところで、療育の現場には、細かい指先の操作が苦手なお子さんも大勢いらっしゃいます。「不器用だ、お箸や鉛筆が上手に持てない、どう練習したら良いか」といったご相談を伺うこともしばしばあります。
84-3 ▼ 大きな目的を見失わないように
ここで声を大にして申し上げたいのは、【お箸や鉛筆を上手に使えないとダメ、なんてことは一切ありません!】ということです。
そりゃ、上手に使えるならそのほうが良いに決まっています。使えるのに使わない、というのはあまりにも宝の持ち腐れなので、そこまで無理しなくても意識して修正できる、という方なら、今からでも練習を始めていただいたらいいんじゃないかなと思います。
でも、頑張ってもどうしても指先が動かない子の場合は、無理やり正しい持ち方をさせる必要は全くないと思います。
人の発達成長にはその人なりのペースがあります。
まずはクレヨンの握り持ちでもいい、矯正具つきのお箸でもスプーンでもフォークでもいい、とにかく身体を使うこと、身体を使って何かを描くこと・身体を使って食べることに、喜びと楽しさを味わうことを優先していただきたいなと思います。
指先がうまく動くためには、体幹から順番に発達が進んでいく必要があります。
適切な練習を繰り返しつつ、その子が今いる発達段階を十分に味わったら、きっと発達の階段を自然に上る時が来ます。
お箸を上手に使うことが目的なのではなく、お箸を使って楽しく食べ、充実した生を味わうことが本来の姿です。
目的と方法がごっちゃにならないように、大きな目的を見失わないように、進んでいけたらいいな思った次第です。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。