348-1 ▼ 良い姿勢とは?
良い姿勢でいよう、という考え方があります。
椅子に座るときには背筋を伸ばして、膝をつけて、手は軽く握って太ももの上へ、、、といったようにです。
特に学校では、子供たちに無条件で「良い姿勢」を維持させようとします。
ところでこの「良い姿勢」とは、何をもって「良い」とするのでしょうか。
たとえばわたしたちは普段、基本的に直立の姿勢を保っています。
「自然に立ってください」と言われれば、たいていの人は両手を下に垂らし、背筋を伸ばして、よくある直立姿勢をとることでしょう。
多くの方は、それが「普通の」姿勢だとお感じだと思います。
でも実は、身体が本来望んでいる姿勢は、全く別の姿であることがあります。
348-2 ▼ 身体にとっての「良い姿勢」がある
今わたしたちが自分の身体だと思っているものの内側に、もう一つ、目に見えない身体があると想像してみてください。
その目に見えない内側の身体は、いつでも、身体自身が本来望んでいる姿勢をとっています。
内側の身体の姿勢を読み取ってみると、大きくねじれていたり、後ろにそっくり返っていたり、しゃがみこんでいたり、色々な恰好をしています。
内側の身体が直立姿勢を取っていることはあまりないようです(あり得なくはないけれども見たことがありません)。
そうして読み取った「内側の身体が望む姿勢」を、外側の身体で真似てみると、見た目はねじれていたり反り返っていたりしていかにもバランスが悪そうなのですが、どこから押しても全くブレません。
軸がしっかり通って柔軟で、何が起きても対応できる身体になります。
これが、今この瞬間の身体にとっての「良い姿勢」だからです。
ひるがえって、今わたしたちが子供たちにとらせようとする「良い姿勢」とは、何を目的にしたものなのでしょうか。
話を集中して聞いてほしいための姿勢?
勉強がしやすい姿勢?
見た目がピシッとしてきれいになるための姿勢?
また、わたしたち自身が「良い姿勢」だと思ってとっている今の自分の姿勢は、何のためにその姿勢をとっているのでしょうか。
348-3 ▼ その姿勢の「良さ」は何のため?
教育現場で上体を起こした着座姿勢を保持するメリットは確かにあります。
(指導者の話を聞きやすい、両手を使った作業が安定する、机上の学習に集中しやすい等)
座ることができるということは、今の日本で広く行われている社会生活に溶け込むためには必要な力だと考えています。
でも、たとえばクリエイティブな発想をするためには、座るのではなく立ったり歩いたり寝転んだり、自分の好きな姿勢をしていたほうがいいかもしれません。
また、たとえばお腹が痛い時には、自然と背中を丸めてお腹をかばうような恰好になるでしょう。
その時々の目的にかなったスタイルが、身体が本来望む「良い姿勢」であるはずです。
わたしたちは日常生活の中で、頭で決めた「良い姿勢」をとり続けています。
その姿勢の良さは何のための「良さ」なのか?
身体が本来取りたいと思っている姿勢はどんな姿なのか?
一度見つめ直してみませんか。
そこから思いがけない角度にあなたの身体と世界観が展開していくかもしれませんよ(^ ^)
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
自分の身体からの答えを知りたい方へ
身体の現在地を認識する
心と身体のバランスを整える
身体からのメッセージを受け取る
心身と対話する静かな時間をお過ごしください
あなたの身体がいま動きたいと思っている方向・速度・幅で波を通し、身体の現在地から心身のつながりを深めます
あなたの身体の中にある「今もっとも必要なこと」「いま伸びたいと思っている芽」をそっと後押しします