327-1 ▼ 10種類の動きの組み合わせと情報の入り方
ご質問がありましたので、「前の支援」について少し補足して書いてみました。
人の動きには10種類の方向があり、
(上下・左右・ねじり・開閉・前後)
人のすべての動作はこの10種類の組み合わせでできています。
前回お伝えした「前の支援」も、この動きの方向性を活用しています。
マイペースなお子さんへ身体の原理原則を応用した支援例
https://sanrindou-members.com/go/5060/
上の記事では、マイペースなお子さんの例を挙げました。
人によるので必ずというわけではありませんが、のんびりしたお子さんは後ろ方向の力を強く持っていることがあります。
言ってみれば、他の人が前を見ているのに、その人だけは後ろを見ているようなものです。
もちろん、目は顔の前面についていますので、誰もが前を見てはいるのですが、情報の受け取り方、入って来方が全然違うのですね。
(情報の入り方の違いは体感ワークをするとすぐにつかんでいただけるので、興味がある方はぜひ体感ワークに来てください。文字通り、新しい世界を目の当たりにしていただけますよ。)
327-2 ▼ 力をより良く循環させるための考え方
どちらか一方向の力が強い場合、その力をよりよく循環させてあげる方法はたくさんあります。
一つは、「思い切りやり切る」こと。
眠いときには寝る、お腹がすいたら食べるのと同じで、身体にとって必要だからその力が強まっていると考えます。
後ろ向きの力が強いなら、後ろのエネルギーをたくさん発揮して、やり切ってしまおう、という考え方です。
十分に寝れば自然と目が覚めるのと同じで、身体にとって必要なだけ後ろ側が充足すれば、自然と後ろのエネルギーは和らいでいきます。
陰陽のバランスをとるという手もあります。
後ろが強いなら、そのペアとなる「前」を強化することでバランスがとれます。
前回書いた「前の支援」がこれに当たります。
骨折には添え木を当てると、痛みも減らせるし、早く・楽に・きれいに治りますよね。
このように、今この瞬間に特に必要なサポートというものがあります。
学校という、前に進んでいく世界をうまく乗り切っていくためには、一時的にでも前のエネルギーを強める形で添え木を当ててあげると、力強いサポートになってくれます。
327-3 ▼ 車とドライバーの関係
一般的な療育の支援は思考からの働きかけが主ですが、人は自分の身体とともに生きているので、よりよく生きるには、やはり身体を整えていくのが一番です。
たとえるならば、身体は車で、思考はドライバーのようなもの。
ドライバーが車を動かしている気でいますが、車が後ろに進んでいるときに、中に乗っている人だけ前に進んでいくことはできませんよね。
支援というと、車の運転方法を教えてくれるものが多いですね。
それもとても大切な考え方ですね、運転方法が間違っていたら事故が起きてしまいますから。
一方、身体の原理原則を応用した療育支援では、運転方法を教えるだけでなく、車を理解することやメンテナンスも大切にします。
大人になればなるほど車の運転に習熟して、エンジンを踏めばスピードが上がる、ギアを切り替えれば勝手に変速すると思っているけれども、本当にそれだけでしょうか?
走り出しが重い車があったとして、エンジンをふかせば力づくで前に進められるかもしれないけれども、内部機関の回路をちょっと調整したら滑りが良くなって、機械に無理をさせないで済むし、燃費も良くなります。
車のポテンシャルを最大限に活かしてあげるためにできることは驚くほどたくさんあります。
しかも、よけいなものをくっつけたり過剰に整備したりする必要はなく、もともと備わっているのに気づいていない・使いこなせていない機能がたくさんあるのです。
人もまったく同じです。
身体から整えて、もともと備わっているのに使いこなせていない本来の力をスムーズに発揮できるようにしていけば、もっと無理なく生きやすくなります。
「前の支援」もこの考え方から来ていて、一般的に行われている構造化や視覚化の支援に、身体の動きの方向性を織り込んだものです。
個別具体的な支援のご相談はいつでもお問い合わせくださいね。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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育児・療育は親子の育ち合いです。
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