316-1 ▼ 返事をすること
お子さんに「返事をする」ことを教えることがあると思います。
たとえば大人とのやりとりの中で、「お返事は?」と促したり、ある程度の年齢になると「うん」という返事を「はい」に訂正させたり、といった指導がよくありますね。
いずれも、返事が大切な意味を持つものだからこその働きかけです。
相手が返事をしてくれると、こちらの言ったことが(ひとまずは)伝わった、聞き取ってもらえた、という証明になるため、話す側からすると、返事をしてもらえるととても助かりますね。
316-2 ▼ 返事をしない自由
特に、発達に特性があったり、知的に課題があったりするお子さんの場合、返事をすることは生活のための技術として大切になってきます。
自然なやりとりの中で身に付くとは限らないため、大人が指導する形で返事の仕方を身に着けるお子さんもいらっしゃることでしょう。
返事ができることは素晴らしいことです。
が、同時に、「返事をしない自由」も、誰もが持っていることも忘れてはいけないな、と思います。
わたしたち大人も、素直に返事をしたくないときや、あえて聞こえないふりをして返事を避けたりするようなときがないでしょうか?
返事をする=あなたの話を聞きました、受け取りました という証明になるわけですが、その証明を渡したくないときがあるわけですね。
たとえばパートナーと喧嘩をしたときなんぞ、返事をするのも腹立たしい、というようなときが、あったりなかったりするのではないかナ~と思います(^ p ^)
316-3 ▼ 「しない自由」を認め合うと
大人だけでなく、子供たちにも、そういうときがあっていいと思います。
大人の側には責任がありますから、聞こえているかどうかの確認くらいはしてもいいと思うのですが、「お返事は!?」で必ず返事を強いなくてもいいのだろうなあとも思います。
ごく小さなことではあるのですが、、
やりとりを見ていると、大人が無理に返事をさせることで子供の苛立ちを増幅させてしまったり、反抗心をかきたててしまったりすることがあって、返事を強いたというただそれだけのことで、問題が必要以上に難しくなってしまっている場面があるように思うのです。
相手に「返事をしない自由」があることをお互いに認め合えると、波風の当たりの強さが少し和らぎます。
そして「返事をする」ことの意義をますます際立たせてくれることでしょう。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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