感情のコントロールがまだうまくできない幼児~未就学児や、気持ちが荒れることの多い思春期の子供たち。
小さな子は、ほんのちょっとした理由でワガママを言って泣いて暴れたり、
思春期の子は、「俺なんか生まれてこなければ良かったんだ」「生んだお前が悪い」と心に突き刺さる暴言を吐いたり。
保護者として対応に困ることがよくあると思います。
今回は、自分の経験から、感情の爆発に対処する方法を書いてみます。
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私には3歳の息子と1歳の娘がいます。
息子は2歳のイヤイヤ期を乗り越えましたが、
まだまだガキンチョですので、感情のコントロールなどできるわけはありません。
先日、息子にガチャガチャを買ってあげた時に、何が気に入らなかったのか、「買った場所まで戻る」と言い出しました。
ところがその時は時間がなくて、戻ることはできませんでした。
仕方なく彼の手をひいて帰り始めたのですが、ワアワアと泣きわめいたり、手を引っ張って戻ろうとしたり、大騒ぎを始めました。
これにイライラし始めたのが夫です(ヤメテ~!)。
夫は、「○○(息子の名前)!じゃあもう二度とおもちゃなんか買わないからね。いいね!!」と怒鳴りつけました。
大好きなパパに怒鳴られて、息子はさらに泣きわめきます。
私も、息子と夫の険悪な雰囲気にうんざりし、泣き声にイライラし、帰りを急ぐことしか考えられなくなっていました。
が、ふと気づいて、息子を抱き上げました。
息子はいやだいやだ!とさらに泣き出しましたが、気にせず抱きしめました。
そして、「うん、わかったよ。戻りたいんだよね。わかったよ、大丈夫だよ。」と何度も何度も声をかけました。
「戻りたい」と言っている息子に対して「大丈夫だよ」と返事をしているので、ハッキリ言って答えとしてはズレています。
でも、この「ピントの合わない答え」が効果的な時って、とてもたくさんあるんです。
子供たちは、理屈で正しい答えを返すと、かえって「そうじゃない!」と反発する時があります。
そういう時は、表面的な言葉は意味がずれていても、ただ相手への肯定的な気持ちだけを伝えてあげる。
すると、なんとなく子供たちの中に安心感がわいてきて、少しずつ気持ちが静まってきます。
理屈で正しい行動を教えるのは、その後で十分です。
息子も、私の声かけで少しずつ気持ちがおさまり、15分後にはニコニコと走り回っていました。
夫が怒鳴ったのは、ある意味で人間として正常な反応です。(ただまあ、間違いなく大人げないですが 笑。)
人は誰でも、多かれ少なかれ、相手の感情を受け止めて自分の感情に反映させています。
それがコミュニケーションの基本ですよね。
ですから、たとえ相手が3歳の子供でも、
意味のわからないワガママを言い募る相手に対して腹が立つのは当然です。
責任感の強いまじめな保護者ほど、自分の子供をきちんと育てなければ!という意識で、
子供のワガママを許せない気持ちを持つことも多くありますね。
ただ、ここで、相手の感情をそのまま受け止めて、そのままの強さで投げ返してしまうと、問題が大きくなるばかりです。
相手がコドモであればあるほど、
「相手の反応を見て、そんな反応を引き起こしてしまった自分の態度を振り返って反省する」
といった行動は期待できません。
ひたすら
(パパに怒鳴られた)(イヤな気持ちになった)
という感覚を追いかけ続けるだけです。
ですから、こういう時は
(なぐさめてもらった)(安心できる)
という感覚を持ってもらえれば、それで良いんですね。
あとは子供たちの心が静まっていくのを落ち着いて見守ってあげれば良いんです。
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言葉で返事をしようとすると、言葉の意味にとらわれてしまって
かえって気持ちが伝わらないことがあります。
(禅の公案なんかも、理屈で考えると意味がわからないですよね。
これもそういうことなんだろうと思っています。)
この「ピントをずらして答える」方法は、思春期のお子さんが
「俺なんか生まれてこなければ良かったんだ」
「俺を生んだお前が悪い」
などと荒れている時にも効果があります。
大体、「俺を生んだお前が悪い」なんていう言葉に対して、言葉でどんな返事ができますか?
愛する子供からそんなことを言われたら、激しいショックを受けて、何も考えられなくなりませんか?
だからこそ、このような言葉とは「正面からぶつからない」ことです。
微妙に体をかわして、言葉の意味を考えずに、そんなことを言いたくなっているお子さんの気持ちだけをつかまえてあげてください。
「あなたも大人になったのね」
「お父さんはお前が大事だぞ」
などなど、答えになっていなくて良いので、ただ自分が相手を大切に思っている気持ちだけを伝えてあげてください。
くれぐれも、「何を言ってるんだコノヤロウ!」「誰に向かってものを言っている!」などと
怒りの感情をぶつけることだけは避けてあげてくださいね。
正面からぶつかるべき時と、ピントをずらしてあげるべき時を、しっかり見極ていただければと思います。
・・・我が家の話に戻りますが、結局、息子がなんでおもちゃを買った場所に戻りたかったのかはナゾです(笑)。
まあ、そういうことはもう、本人にとってもどうでもよかったりするんですよね。
息子がワーワーやっている間、
1歳の娘はキョトンとしておとなしくベビーカーに乗っていてくれました。助かった!(笑)