「43円」がわからなかったA君
算数の時間に、お金を43円出してと言われたA君。
1円玉を4枚
10円玉を1枚
1円玉を3枚
出してみせました。
A君にとっての「43」は、「よん・じゅう・さん」と見えていたのですね。
先生に何度も教わって・・・
先生が算数ブロックを使って指導すると、「10のブロックが4つ、1のブロックが3つ」で43になることは理解できました。
でも、硬貨になると、なかなか理解できません。
「10がない」と訴え続けます。
(A君が数をどう捉えているかが見えて興味深いですね。)
先生がブロックと硬貨を行ったり来たりして、A君がわかるところから少しずつ指導したところ、最終的には正しく43円を出すことができるようになりました。
決して正解を教えなかった先生
この先生が素晴らしいなと思ったのは、 決して【 正解を教えなかったこと 】。
A君が自分で理解するまで、手を変え品を変えしてヒントを与え続けました。
そのおかげでA君は、数の概念と硬貨の概念を自分の中で結びつけることができました。
この理解が、生涯を通してA君の力になってくれることは間違いないでしょう。
早くわからせることと、将来伸びる力をつけることは違う
真の理解を育むのは、非常に時間がかかります。
A君にも、「43円とは、10円玉が4枚と1円玉が3枚ですよ」と答えを教えてしまえば、指導時間は1/10で済んだと思います。
でも、本当の意味で人を育てるとは、答えを教えることではありません。
その人が自分の頭で考え、自分で足で歩く力を育むことです。
答えが欲しくなる時こそ、真のヒントを探すべき
大人たちの人生には、迷いがいっぱいです。
時にはズバリと答えが欲しい時もありますよね。。
「〇〇さえやればうまくいく」式の方法に飛びつきたくなるのはこういう時です。
でも、そんな時こそ、自分の身体からの声を大切にしていただきたいなと思います。
自分にとっての答えは、自分の中にしかありませんし、身体のヒントさえあれば、自分で辿り着けるのです。
A君が先生のヒントで43円を理解できたように。
三輪堂のセッションも、そういうものでありたいと願っています。
わたし個人が正解だと思うことを伝えるのではなく
あなたの身体がどちらに進みたいか
あなたの心がどちらを向いているか
キャッチしてお伝えしています。
時間はかかっても、本当の道標が欲しい時は