766-1 ワーキングメモリ
10歳の集団に対する調査で、ワーキングメモリに前後3歳ずつくらいの差があった、とする研究結果があります。
ワーキングメモリとは、情報を一時的に覚えておき、同時に処理する能力のことです。
たとえば黒板に書かれた文章をノートに書き写すときなどにフル回転しています。
板書時のワーキングメモリのプロセスの例
- 黒板を見て目で情報をキャッチする
- 文字・単語・文章などを一時的に記憶する
- ノートの正しい位置を探す
- 書く
- ノートに書き終わるまで書くべき内容を覚えておく
- 次に黒板を見たときに続きの位置を思い出す
- さっきまで書いていたノートの書き終わりの位置を覚えておく
- 書き終わったら頭の中の情報を消去する ・・・
766-2 同じ4年生でも
こうした複雑な働きを支えるのがワーキングメモリです。
※板書の得意不得意にはワーキングメモリだけでなく目や耳の力、手の力、集中力、環境などさまざまな要因が影響しています。板書が不得意だからといって必ずワーキングメモリに弱さがあるとは限りません。
10歳の子供たちに前後3歳ずつの差があるというと、ワーキングメモリ的に見れば、4年生の教室に、小1から中1までの子が座っていることになります。
指導の受け取り方や成果の出方にバラつきがあるのも当然ですね。
766-3 前提知識があるだけで
子供のワーキングメモリは平均して大人の1/3程度という研究結果もあるそうです。
大人が3つ覚えて処理できるところを、子供は1つしかできないと考えれば、こちらからの指示の出し方なども変わってきますね。
子供たちとかかわる基本は、目の前の子供たち一人ひとりの状態像に寄り添うことですが、前提知識として「これだけ違うものだ」と理解しておくだけで、大人が子供たちを見る目に、ゆとりや幅、深みが生まれるように思います。
何かのご参考になれば幸いです。
本日は以上です。
それでは、また。
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