714-1 対話を通してつくられるもの
ある大学の先生が、
子供の気持ちや意見は、聞き手との対話をとおして「つくられるもの」だ
と書かれていました。
人前に立つと自分の意見や気持ちを言えなくなる子供への支援について書かれた文章でしたが、それによると、
子供たちが自分の意見を話すためにはスピーチの練習も一定の効果はあるが、それ以上に重要なのは、よい聞き手・聴き手の存在である。
子供の気持ちや意見というものは、必ずしも初めから子供の中にあるわけではない。
大人がじっくり話を聞いていって子供の意見の輪郭に気づいた頃に、子供自身も、そんな思いが自分の心にあることを発見し始める。
と、いうことでした。
714-2 「自分の意見」はどこから来る?
意見は初めから子供の中にあるわけではない。
人と人との間でつくられるものである。
研究者がこんなふうに言い切ったものを初めて読んだのですが、実はこれ、わたしにとっては結構な衝撃でした。
わたし自身も、小さい頃から、自分の意見がどこにもない(ように思える)ことにずっと悩んできたもので。
わたしが「自分の意見」として表明しているものは、両親や先生などの身近な大人の言葉や、読んだ本から借りてきた表現であって、自分もそう思う気がするからその言葉を使っているのではあるものの、自分で生み出した「意見」ではないように感じていたのです。
714-3 誰かと誰かの間で生み出されるもの
でも、それでよかったんですね。
自分の内側にある形のないもの(感情、記憶、気持ち、思い・・・)に、言葉が輪郭を与えてくれて、それで表現ができるようになるわけですが、その言葉は、少なくとも最初のうちは、外部から借りてきたものでも、人と話しているうちに醸成されたものでもよくて、むしろそれが当たり前であると。気にすることなんかなかったんだなと。
ほとんど忘れていたような無意識の不安に整理をつけることができて、肩の荷がおりた気がしたのと同時に、誰かと話をするという活動の、本質的な恐ろしさにも気がつきました。
そのあたりは次回以降に。
次回は9/26(月)です。
本日は以上です。
それでは、また。
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