710-1 雨が降ると思い出す男の子の話
3連休はいかがでしたか。
台風がなかなかのものですが、お住まいの地域に大きな影響がなかった/今後もないことをお祈りしております。
雨が降るといつも思い出すエピソードがあります。
雨で靴下が濡れるのが大嫌いだった男の子の話です。
彼はそのせいで雨の日には学校に行きたがらず、激しい登校渋り(雨天限定)につながりました。
ゴム長靴や、靴の上から履いて足を覆うナイロン製の雨カバーなどをいろいろ試したけれども、履きづらくて嫌だとのこと。
晴れの日には問題なく登校できていたので、クラス内の居心地や環境に課題があるといったことでもなさそうでした。
710-2 ゴム草履という選択肢
あるとき、思いがけない解決策が見つかりました。
「ゴム草履で登校する」ということです。
靴下が濡れるのが嫌なら、いっそはだしで行けば? とは、親御さんが何度か提案したらしいのですが、ご本人は、学校には靴で行かないといけない、とかたくなに拒否していたのだそうです。
実際、登下校は靴で・サンダル系はNG、という学校の決まりがあったのですが、特例を設けてくれたのは担任の先生と校長先生でした。
校内では靴下と上履きを履き、草履以外の外履き靴も持参するという約束で、雨の日はゴム草履で登校しても良いことになったのです。
素足が濡れる分には構わないのか、と大人たちは驚いたそうですが、彼にとってはゴム草履と裸足ならば濡れても問題なかったようで(^ ^)、学校についたら持参のタオルで丹念に足を拭き、靴下を履いて、元気に過ごせるようになりました。
710-3 人として健やかに生きる
思い出すたびに、合理的配慮とはこういうことなんだろうなあと思います。
上のエピソードは合理的配慮が声高に言われるようになるよりもずいぶん前の話ですが、親御さんも先生方も、(上には書きませんでしたが学校のお友達も彼を応援してくれていました)、彼の主張をないがしろにせず、彼の感覚に寄り添い、一緒に解決策を探し、全員が納得できる着地点を見つけました。
何でも決まりを変えれば良いとは思いませんが、必要なタイミング・必要な範囲で、柔軟に対応するバランス感覚は大切にしたいなと思います。
決まりは一度決まれば動きませんが、人や社会は動き続けるものですから。
決まりを作ることができるのも人、決まりを守ることができるのも人、変えることができるのも人です。
人として、身体も心も健やかにこの社会を生きるということを、丁寧に見つめていきたいなと改めて思う雨の朝でした。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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