653-1 学校生活でピカイチに操作が難しい道具は
学校では、いろいろな道具を使います。
中でも操作が難しいものの一つは、コンパスではないでしょうか。
手の操作にさほど困っていないお子さんも、コンパスだけは苦手、というお話はよく聞きます。
手の使い方に課題があるお子さんはもっと苦労しているだろうなと想像がつきます。
そうしたお子さんには、別の道具を使ってもらうのはどうでしょうか。
たとえば一つお勧めしたいのは、「ドラパス サークル定規」です。
もとは製図用の道具で、円盤の穴に鉛筆を差して回転させると円が描けるというものです。
653-2 算数が嫌いになるくらいなら
これでも難しいと感じるお子さんもいるかもしれませんが、2本足のコンパスに比べればはるかに簡単です。
お値段はちょっと高め(3,000~4,000円)ではありますが、試してみる価値はあるのでは、と思います。
コンパスの使い方を学ぶことも大切な学習ですし、コンパスを使う学習課題のすべてをサークル定規でカバーはできません(正三角形の作図など)。
でも、コンパスに苦労したために算数や図形に苦手意識を持つことになっては本末転倒です。
大人になってからコンパスを使った方、どのくらいいらっしゃるでしょう?
お仕事で使用される方は別として、ほとんど使わない方が圧倒的多数ではないでしょうか。
一方で、算数の概念は毎日の生活で欠かさず活用します。
優先順位は、どう考えても 算数>コンパス ですよね。
653-3 道具の工夫も環境調整です
もし仮にコンパスの使い方を知る必要があるなら、大人になって少しでも手の働きが充実してから練習したほうがスムーズに習得できるはずです。
道具一つで、人から引き出される行動は変わります。
療育では「環境調整」という言葉をよく使いますが、道具を変えることも大事な環境調整の一つです。
その人にとって使いやすい道具、その人から積極的な行動が引き出される道具を、自由に柔軟に選択できる多様性が当たり前になったらいいなと思っています。
本日は以上です。
次回の配信は7/4(月)です。
それでは、また。
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