501-1 ▼ ブロックを使う算数学習
低学年の算数の勉強では、具体物や半具体物(ブロック、算数タイル、数え棒など)を使って数を捉えようとすることがよくあります。
リンゴが6個あります。
あといくつ足すと、10個になりますか?
といった問題を解くときの助けとして、ブロックを並べて考えるわけです。
ところで、こうした場面で、ブロックなどの物が助けにならない子供たちがいます。
501-2 ▼ サビタイジング
具体物・半具体物を使って学習するためには、個数を瞬時に把握する力が必要です。
この力を「サビタイジング」といいます。
たとえばわたしたち大人も、3~4個の物ならば一目で数を把握できますが、それ以上の数の物がバラバラに並んでいると、一つずつ数え上げていかないと個数を把握できませんよね。
この「一目で数を把握できる」力が、サビタイジングです。
算数が苦手な子供たちは、このサビタイジングがスムーズでないことがあります。
そのため、「10個のマス目の上に6個のブロックを並べる ⇒ 残りのマス目があと4個だとわかる」というプロセスがうまく運びません。
残りのマス目を一つずつ数え上げて「4」という数を導き出さねばならず、ブロックを使うことがかえって負担になることがあります。
501-3 ▼ わかりやすさの工夫
こうした場合、数字表記の理解に問題のない子ならば、マス目に数字を書くことが助けになるかもしれません。
また、10の補数の組み合わせをすべて暗記することが助けになる子もいるかもしれません。
ブロックの個数を目で捉えるのではなく、残りのブロックを4個「置く」という、4回の動作の体感が手助けになる子もいるかもしれません。
数量をまとまりで捉える練習も並行して行いたいですね。
今回はブロックなどの具体物・半具体物を例にとりましたが、大人が良かれと思う指導方法がかえってその子の理解の妨げになっているかもしれない可能性はあちこちにあります。
相手にとって伝わりやすい伝え方を工夫することは、指導するわたしたち大人自身の概念の輪郭をより繊細に豊かにしてくれることでもあります。
子供たちと一緒に学ぶつもりで、その子の認知特性や理解度に応じて、わかりやすい指導の仕方、伝え方を工夫したいものですね。
本日は以上です。
それでは、また。
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