435-1 ▼ 目標にひそむ落とし穴
学校では、子供たちが「目標を立てる」場面があります。
たとえば一年間の学級目標、運動会に向けた目標、長期休暇に対する目標、今日の授業の目標、などなど。
一連の活動を通して、「目標を立て、その達成のために行動し、活動後には目標を振り返って行動の内容を評価する」、というプロセスを体験できるようになっていますね。
ところでこの「目標」ですが、捉え方や立て方が少しズレてしまうと、大きな重荷にもなりかねません。
たとえば子供たちの目標でよくあるのが「テストで100点を取る」とか、「(運動会で)白組絶対優勝!」とかというもの。
やる気が伝わってきて微笑ましいのですが、残念ながらこの目標には致命的な落とし穴があります。
435-2 ▼ 目標として成立していない
それは、「自分が頑張ったからといって達成できるとは限らない」内容になってしまっている、ということです。
テストではどんな問題が出るかわかりませんし、どれほど事前に勉強していったとしても、うっかりミスをすることだってあるでしょう。
運動会の勝敗などはなおさら、もはや時の運でしかありません。
したがってこの目標は、目標として成立していないと言えます。
ゴールが運任せで、「必ずゴールできる正しい道」が存在しない、いわゆる「無理ゲー」というやつです。
ところが、多くの子供たちは「目標は頑張ればかなうもの」だと思い込んでいます(大人がそう教えるからです)。
だから、この目標を立てたお子さんは、運よく満点や優勝を獲得できた場合を除いて、「頑張ったのに目標を達成できなかった」という残念さだけを残して終わることになります。
435-3 ▼ 具体的な行動に落とし込む
目標を立てるときには、「自分の意志で行動すれば達成できること」を言語化するようにしましょう。
「テストで100点を取る」ではなく、「今日からテストの日まで、毎日算数の問題を3問解く」といったようにです。
これならば、目標を達成できるかどうかは完全に自分の行動にかかってきます。
毎日算数の問題を解いた結果、テストで100点を取れるかもしれないし取れないかもしれませんが、点数は関係ないのです。
この場合の焦点は、結果ではなくプロセスにあるからです。
このような考え方は、困難に遭っても自分で立ち直れる力にもつながっていきます。
同じ結果に対して「得たい結果が得られなかった」と残念に思うか、「(結果はともあれ)しっかり努力できた、行動できた」と満足を感じるか。
目標の立て方一つで、人生に起こる出来事の受け取り方が180度変わってきます。
もしお子さんが「試合で優勝する!」といった、自分の力だけでは達成できない目標を立てようとしていたら、
「試合で優勝したいんだね。だったら、そのために毎日何をしたらいいかな?」
と、目標を行動に落とし込んであげてくださいね。
本日は以上です。
それでは、また。
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