340-1 ▼ 未成年の喫煙事案について
高3の子と中3の子が誘い合わせてタバコを吸って先生に指導された、というお話を伺いました。
この事案自体は、複雑に絡み合った状況を親御さんが上手に塩梅されて、大枠は解決に向かっているとのことです。
今回は「未成年の喫煙(を始めとする触法行為)」について書いてみます。
大前提として、三輪堂では、喫煙や飲酒といった行為の是非を問うたり、断罪したりするような立場は取りません。
法的には喫煙や飲酒は成人してからということになっている、という前提はもちろんあります。
わたし個人的には、喫煙や飲酒に対する個人的な嗜好はありますが、自分の考えとは関係なく、誰かに(成年か未成年かを問わず)喫煙や飲酒を勧めたり、逆に止めさせようとしたりは一切しません。
その人が自分で選択して好きなように行動すればいいと考えています。
法律では、20歳の誕生日の0時を超えたら、それまでダメだったタバコが突然吸ってもOKということになるわけですが、身体から見たらそれはおかしな話です。
1分前まではタバコを吸えなかった身体が、1分後には喫煙の準備ができているかといったらそんなことはないわけで、その人の身体がタバコを受け付けない性質なら20歳だろうが50歳だろうがダメだろうし、その人の身体がタバコと親和性が高ければ、10代で吸っても身体的には問題がないわけです。
以上は純粋に身体から見たらの話で、身体は身体、法律は法律です。
現代社会を生きる上では、ルールは守ったほうがお互いに何かと過ごしやすいですね。
未成年が喫煙するなんて絶対ダメ!という考え方も、もっとざっくばらんな考え方もあるだろうと思います。
三輪堂はそのどちらも否定も肯定もしません。
ただご家庭のお考えを受け取ります。
その上で、未成年の方の喫煙についてどう考えるか、一つの方向性をお話ししたいと思います。
340-2 ▼ 喫煙への対応は2パターン
喫煙への対応は、その方がタバコが象徴するものを味わっているのか、タバコそのものに依存しているのか、で違ってきます。
好奇心でちょっと吸ってみた、くらいのことであれば、タバコそのものと離れることは比較的簡単にできるでしょう。
ただ、喫煙が象徴する「悪いことをするカッコよさ」のようなものは残ります。
こういった子たちには、「タバコそのもの」ではなく、彼らにとって「タバコ的な存在」がどう見えているのか、について探る必要があります。
お子さんがタバコのどこにどんな魅力や必要性を感じて手に取るのか。
たとえば友人付き合いの中でタバコを吸わざるを得ないのか、寂しさからタバコに頼るのか、ちょっと粋がりたかったのか、などなど、お子さんのありようによってこちらからの働きかけは変わります。
一方、タバコを吸わないとイライラするなど、身体がタバコを求めるようになった段階の方はまたちょっと話が違います。
吸うようになってしまったものを、法律がこうだからと言っていきなりスッパリやめるというわけにはいかないでしょう。
この場合は、大人が禁煙するのと同じようなステップを踏んで段階的に摂取を減らしていく、どうしても吸わないといけないときは人目を避けて吸うなど、柔軟な対応が必要だと思っています。
もしご家庭で親御さんも喫煙をされている場合は、できれば親御さんもご一緒に禁煙に向けて進んでいかれると、お子さんも励みになるでしょう。
340-3 ▼ お子さんが触法行為を行ったら
発達に特性のあるお子さんは、触法行為に踏み込みやすい傾向があります。
自分の行動に歯止めをかけづらい、人に誘われると断れない、教室で学んでいるときには喫煙は良くないことだとわかるけれど別の場面ではとっさには頭に浮かばない、等々、さまざまな事情があります。
知的に課題のないお子さんの場合は特に、外見からはそうは見えないという理由で、不当に強く断罪されることも残念ながら珍しくありません。
法的に認められていないことをしたという事実は変わりません。
その点はしっかりと共有した上で、お子さんの発達特性に合った説諭の仕方、状況改善に向けた取り組み方を、親御さん、先生、地域の方々など、皆で一緒に考えていけるのがベストだろうなと思っています。
お子さんが触法行為を行うようなことがあると、親御さんには大きなショックだと思います。
でも、お子さんにはお子さんなりの理由がきっとあります。
ぜひ、ご家庭だけで悩まず、信頼できる誰かに相談されてみてくださいね。
きっと道は開けますから。
三輪堂もいつでもお待ちしております。
本日は以上です。
それでは、また。
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