こんにちは。三輪堂です。
面白く生きる連載、65通目です。
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65-1 ▼ 成長は積み上がるもの
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療育のご相談では、よく、「~~ができるようになるにはどうしたらよいか」といった表現を見ます。
たとえばよく伺うのは、就学に当たってせめてひらがなは読めるようになっていたい、とか、もうすぐ2年生になるのに授業中に座っていられないので何とかしたい、とか、といったご相談です。
ところで、お子さんの成長発達という「成果」は、お子さんが今できていることの上に積み上がるものです。
「~~ができるようにするには」といった大人の目標が先に立って、それに引っ張られるようにしてお子さんの成長が引き出されることはありません。
成長は、積み上がるものであって、誰かが無理やりに引っ張り出すことができるものではないのです。
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65-2 ▼ 現在地と目的地の原理原則
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これは、人の身体の原理原則でもあります。
この連載でも度々、「現在地」と「目的地」という話をしています。
人の身体は、自分が理想とする動作を目指して動かすと、そこそこ程度のところまでしか発展しないのですが、
いま実際に自分の身体がどう動いているか、という現状を認識して、その認識に寄り添うようにして少しずつ現状の動きを広げていくと、自分自身でも思いがけないような動きに発展していきます。
現在地と目的地、どちらも大切で欠かせないものではあるのですが、物事を大きく発展させていくためには、まずは現在地にしっかりと立って、現在地のありようを受け止めることが大事です。
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65-3 ▼ 現在地に戻る
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育児・療育でいうところの「現在地」は、今のお子さんの様子、今お子さんができること、今お子さんが獲得している発達上の地点などのことです。
同様に「目的地」は、大きくはお子さんご自身が目指す人生の目標ということになりますが、お子さんが幼いうちは、発達プロセスが進んでいくこと、親御さんが目指したい生活上のスキル、学業上のスキル、社会生活においてその実年齢の人が求められる知識やふるまい、といったものが当てはまるでしょう。
大人も子供も、「今現在の自分自身」を離れては、次の一歩を踏み出すことはできません。
もし何かに迷いを持っているならば、「目的地」ではなく「現在地」に立ち帰ってみることをお勧めします。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。