「罪悪感」という言葉を使ったSさん
本質ヒトコト宣言を受講されたSさんのエピソードです。
最初にSさんが作られた宣言文には、「罪悪感」という言葉が入っていました。
「罪悪感を持つことなく〇〇ができる人です」という文章だったのですが、
宣言文には、できれば、ご本人にとってネガティブな心象を喚起するワードは入らないほうがよくて、
Sさんにとって「罪悪感」は明らかに大きな質量を持つ言葉だったので、
別の表現を二人でいろいろと模索しました。
最終的に
私は、家族がどう想っているか耳を傾け、家族を信じ、大切にしていける人です。
という本質ヒトコト宣言が完成しました。
この宣言文が「もったいない」と感じた理由
これはとても美しい本質ヒトコト宣言です。
ですが、わたしは、この本質ヒトコト宣言は、ちょっともったいないかも、と思っていました。
だって、SさんをZOOMの画面越しに拝見して、いくつか言葉を交わしただけで、なんとなく、この方の中には強いエネルギーがある、と感じていたからです。
真っ白に輝く、まるで燃え盛るマグネシウムのような、強い光が見えるような気がしました。
そんな強い力を秘めながら、穏やかな表情で、静かに言葉を紡いでいかれるご様子は、まるで大空を悠々と舞う美しい鳥のようです。
そんなSさんにとって、自分自身よりも家族に軸足を置いた表現を「本質」と呼ぶのは、ちょっと十分でないような気がしたのです。
Sさんはきっと、普段はご家族のことを優先して、自分のトーンをかなり落として日常生活を過ごされているのだろうなと感じました。
そして、ご本人も、多少なりとも、そのご自分の立ち位置に違和感を持っているのかもしれないな、という気がしました。
講座後にSさんにお伝えしたこと
でも、現時点で言葉になったのは「家族を信じる」「家族を大切にする」ということです。
ご本人がご家族のことを大切にしたいと捉えておられるのに、こちらが別の方向に無理やり押していくのは、(たとえご本人の心の奥に、別のありかたに対する希望が眠っていたとしても)、身体のやり方としてはうまくありません。
ですから、しばらくはこの本質ヒトコト宣言を使ってみて、ご本人の中の違和感が大きくなるのを待つほうがいいと思いました。
それで、終了後にこんなLINEを送らせていただきました。
(※この前後にもいろいろとやりとりしています。文脈があった上での、このメッセージです。)
フォローアップセッションでシェアされた1枚の写真
さて、それから約10日後。
Sさんとのフォローアップセッションが始まりました。
本質ヒトコト宣言では、本講座の1週間後にこちらからメッセージを送らせていただき、フォローアップセッションをご案内しています。
本質ヒトコト宣言を作っただけで終わらせるのではなく、まずは1週間使ってみていただきたいこと。
使えばきっと変化が起こるので、その体験をシェアしていただいて、自分一人では気づきにくい微細な変化も客観視できるようにサポ―トすること。
それに応じて、本質ヒトコト宣言を微調整していくこと。
フォローアップセッションにはそんな意図があります。
Sさんは、1枚の写真をシェアしてくださいました。
次のステージはここだ。
それは、美しい空と雲の写真でした。
本質ヒトコト宣言を作ったその日に撮影されたそうです。
夕日を浴びて金色に輝く雲が、大きな鳥のように見えて、思わず撮影したとおっしゃるSさん。
Sさんは、「あなたは大空を舞う鳥のようだ」とお伝えした三輪堂の言葉を心に容れてくださって、空の景色に何かを感じ取られたのだと思います。
この写真を見た瞬間に、次のSさんのステージはここだ、と思いました。
本質ヒトコト宣言をつくったその日に、もう、次のステージが目に入っていたとは!
人は変化するもの、人生は進んでいくもの
本質ヒトコト宣言は、作った瞬間に古びていく宿命を持っています。
それを生み出した本人はどんどん変化していくけれど、言葉はずっと変わらないからです。
ですから、本質ヒトコト宣言は、後生大事に抱え込むというより、どんどん使って、どんどん更新していくのが、より良い向き合い方ですよ、と、受講されたお一人おひとりにお伝えしています。
でも、まさか、作った瞬間に役目を終える本質ヒトコト宣言があるとは思いませんでした 笑
本質ヒトコト宣言という形で、内面に眠っている言葉を整理し、表出することには、人生を一歩前に進める力があります。
とはいえ、作った瞬間に次が来るのは、さすがにちょっと規格外です 笑
今回、Sさんがこれほどのスピードで次のステージをキャッチされたのは、これまでにSさんが積み重ねてこられた思い、学び、体験があったからこそです。
Sさんの中にさまざまな葛藤や違和感が積み上がって、それがどんどん内圧を高めていって、すでにほとんど破裂しそうなくらいのところまで来ていて、
その最後のほんの一押しを、本質ヒトコト宣言がお手伝いできたのかもしれないな、と思っています。
Sさんの言葉の裏にあったもの
実は、Sさんには、お子さんとの関わりにいろいろなご事情がおありでした。
Sさんが「罪悪感」という言葉をしばしば口にされたのも、そのあたりに深くつながっているようでした。
本講座の段階ではお子さんについてそこまで詳しくお話が出なかったので、「罪悪感」という強いワードにやや違和感があったのですが、フォローアップセッションでお子さんについてのお話も少し聞かせていただき、
(ああ、罪悪感というお言葉の後ろにこんなご事情があったのか)
と、改めて頷いた次第です。
身体に任せれば願いはかなう
こうしたSさんのエピソードからもわかるように、
本質ヒトコト宣言は、ご本人がはっきりそうと口にされなくても、必ず、その方の願うところに着地します。
身体から出てくる言葉とは、そういうものだからです。
その言葉と共に歩いていけば、自分自身も、知らず知らずのうちに自分の願うゴールに運ばれていくのは、当たり前のことなんですよね。
自分の道は自分で決められます
自分の気持ち
家族のこと
仕事のこと
過去のトラウマ
自分が本当にやりたいこと
気になること
心の奥に秘めていること
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生きていれば、わたしたちの周りには、いろんなことが起こります。
いろんなしがらみも積み重なります。
それらとどう向き合っていくかは、すべて自分次第。
あなたも、あなたの次の一歩を、好きなように決めて、踏み出してみてくださいね。
迷ったら、どうぞ本質ヒトコト宣言を作りに来てください! (^ ^)
Sさんが、ご自身の周囲に存在する様々なことのバランスを取りながら、大空を舞う黄金の鳥のように悠々と進んでいかれることを、心から応援しています。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。