890-1 自分が話したいことを一方的に話す
自分が話したいことだけを一方的に話す子がいます。
こういうタイプの子は、交友関係が限られることが多いようです。
延々と続くその子の話を聞いていられず、同年代の子供たちは離れていきますし、
ご本人のほうでも、自分にとって興味のないことを切り捨ててしまい、たとえば友達の話を聞かなかったり、クラス全員で行うレク活動などに参加したがらなかったりします。
ご本人としては話したいことを話せて満足かもしれませんが、社会生活を円滑にし、豊かな毎日を支えるコミュニケーションという意味では、ちょっと未熟なところもありますね。
890-2 支援のための3つのステップ
ステップ1:まずは大人が話を聞いてあげる
こういうときは、まずは大人が話を聞いてあげるのが最初の一歩です。
自分の話、自分の気持ちを受け止めてもらえた、という実感をたくさん味わってもらいましょう。
身体の原理原則では「まずは自分」。
自分が話したい気持ちを充足させなければ、相手の話を聞こうという気にはなれません。
ステップ2:相互のやりとりを練習する
その上で、相互のやりとりをする練習を取り入れていくことをお勧めします。
- 時間を区切って順番に話す
- 順番で回すゲームをする(ジェンガ、トランプなど)
- 相手をよく見たり話を聞いたりしないと次に進めない構造のゲームをする
などの取り組みを少人数のグループで行うと良いでしょう。
ご本人が安心できる環境(物的にも人的にも)、ご本人が楽しいと思える内容であることが理想的です。
ステップ3:誰かの役に立つ喜びを味わう
さらに、親御さんのお手伝いや、年下のきょうだいのお世話など、「相手のために何かをする」体験を積むことをお勧めします。
自分が何かをすることで相手の役に立つ、相手が喜んでくれる、という経験が、自分中心の世界観に「相手」の目線を育むことにつながっていきます。
890-3 コミュニケーションは本人の心から湧いてくるもの
コミュニケーションの基本は、ご本人の心の中から湧いてくる「相手と関わりたい」という気持ちです。
自分が話したい!という気持ちがいっぱいのときに、「相手の話も聞きなさい」と強要してもあまり意味がありませんし、
相手と関わりたい気持ちが芽生えていない状態でコミュニケーションを練習しようとしても、本質的な成長発展にはつながりません。
お子さんの心の状況に合わせて、お子さんの中から「相手と関わりたい」気持ちを引き出せるような支援を工夫したいものですね。
こちらの記事もご参考にどうぞ
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
- 療育のセカンドオピニオンが欲しい方
- 一般的な療育支援分野とは違う角度からアドバイスが欲しい方
- 漠然とした不安や言葉にしづらい”何か”があってクリアにしたい方
ぜひ一度「オンラインセッション」にお声掛けください。
育児・療育は親子の育ち合いです。
お子さんのお話だけでなく、親御さんのお話を伺うことも大切な時間です。
うまく書けない・しゃべれないと思う方もご安心ください。
ゆっくり丁寧にあなたの中にある”何か”を引き出します。