882-1 特殊な聴力を持つ人が活躍するドラマ
最近、連続殺人鬼を警察の特殊チームが追う、という韓国のドラマを見ています。
このドラマは、主人公の一人が特殊な聴力を持っているという設定です。
その人は周波数を聞き分けられることになっていて、誰かが話していることが本当か嘘かも聞き分けられるし、無線で誰かが話しているその後ろの背景音が、どこでどんな風に鳴っているかも聞き取れます。
そういう音の聞き分けを犯人逮捕に活かすというストーリーなのですが、、、
この設定を見て真っ先に思ったのは、そんなに耳が良くては毎日の生活がうるさくてたまらないだろうな、ということです。
882-2 感覚は体調や感情で揺れるもの
さらに、いついかなるときでも、この人の耳の感度が一向に衰えず、常に超人的なパワーを発揮し続けるので、あまりにも現実味がないなあと。
(架空の話であれこれ言うのは野暮ですが)そんな都合の良い話があってたまるか、と思ってしまいました。
ドラマでは現実的な困り感は一切描かれませんが、感覚は体調や感情によって揺れるものです。
たとえば不安が感覚の問題を強めることはよく知られています。
幼稚園・保育園ではそれほどでもなかったのに、小学校に上がった途端に感覚の問題が表面化することがよくあるのがその一例です。
環境の変化を始めとするさまざまな因子が関わっているはずですが、ご本人の不安や緊張も大きな要因になりえます。
882-3 自然な揺れを組み込んだ社会を
ところで、社会の枠組みは、こうした自然な「揺れ」を想定せずに作られています。
最近は少しずつ変化のきざしはあるものの、毎日元気に学校に行く、毎日定時からしっかり働く、どんなときにも笑顔で頑張る、それが理想だとする空気はまだまだ色濃く残っています。
実際には、人の身体は、感情次第で五感の働きが変化したり、足の裏に小砂利が一つ触れているだけで身体操作が不安定になったりします。
自然な揺れを無理やり枠組みに押し込むから、いろいろな齟齬が生まれます。
最近の育児療育のお悩みはほとんどこの齟齬から来ている気がしてなりません。
自然な生命の自然な揺れが、最初から当たり前のように組み込まれた社会に、みんなで向かっていけたらいいなあ、などと思っている今日この頃です。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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