864-1 将来なりたいものは〇〇
小学生の子供たちの「将来なりたいもの」について聞く機会がありました。
メジャーリーガーになってWBCでプレイしたい、YouTuberになりたい、アイドルになりたい、小説家になりたい、プロゲーマーになりたい、〇〇バレエ団のプリンシパルになりたい、自衛隊に入って戦闘機に乗りたい、、、
さまざまな「なりたい自分」が表現される中で、ただ一人、「なりたいものは無い」と断言した子がいました。
それだけ言ってさっさと席に帰ってしまったので、みんな気を飲まれ、やや白けた雰囲気になったのですが、先生がふわっとその場を取りなして、発表は続きました。
わたしはどうしても「なりたいものは無い」の子が気になって、あとでこっそり彼に尋ねてみました。
「あなたは、なりたいもの、無いと言ってたね。どうして?」
すると彼は、こんなことを言いました。
864-2 彼の真意は
なりたいものを決めると、それに捉われてしまう。
なりたいものなんて、毎日変わる。
一つに決める必要はない。
そのとき自分がやっていることが「なりたいもの」だ。
そんなことを言ってもどうせ理解されないし、説明するのも面倒だから、なりたいものは無いと言った。
彼は、学級や学年の目標や、先生の訓示などを真剣に受け止め、常にその通りに行動しようと心がけてきたのだそうです。(校長先生のお話はできるだけ頭に入れて覚える、と言っていました。)
ところが、周囲の仲間たちは、彼のように目標を真剣に捉えていません。
彼は「なぜ皆は〇〇の目標を守らないのか」とイライラすることばかりだったのだとか。
だんだん「皆にとって目標とはその程度のものなんだ」と理解できてはきたものの、やはり目標として掲げられた以上、自分はそれを守るというスタンスでいるのだそうです。
と同時に、決めたことに捉われる自分の傾向にも気づいていて、それが冒頭の「なりたいものは無い」につながっている模様でした。
864-3 共感し、支え合う
「なりたいものは無い」と言い捨てたところだけを見れば、捨て鉢でやる気がない姿のようにも見えますが、実際はこんなにもしっかり考えて、自分の軸を持っている子なのですね。
彼のような子にとっては、もしかしたらこの世の中は、ちょっと生きづらいかもしれません。
でも、どんな人にでも、共感してくれる人は絶対にいます。
彼が自分の思いを伝えることを諦めないでほしいなと、そして彼が自分の良さを受け止め、信念を持って世界を渡っていけるようにと願いながら、
わたしたち大人は彼のような子供たちを支えていける器を備えているだろうかと、改めて自問自答した一幕でした。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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