859-1 すごく大事ですごく簡単
前々回・前回と、「居心地の良い居場所が大事」「自分にとって関心があるかどうかが大事」という話を書いてきました。
これは、本当にすごくすごく大事なことです。
しかも、すごくすごく簡単なことです。
記事を読んでいただいたらわかると思いますが、全然難しいことを言っていないんです。
自分が居心地の良いところにいたらリラックスできますよ、自分がやりたいことをやったら楽しいですよ、というだけの話です。
リラックスして楽しかったら、身体が自然に動き出します。
自分の本来の力を発揮し始めます。
でも、たったそれだけのことが、日常生活では二の次にされがちです。
現代社会の枠組みの中に納まりきらないからです。
859-2 「時」を待つ
たとえば、学校のペースに追いつかない子がいます。
学年相当の学習ができない、集団生活についていけない、学校に通えない、などなど、いろいろなお悩みがあります。
こういう場面に直面すると、気持ち的にはどうしても焦りますが、身体の原理原則からは、じっとその子の「時」を待つのが一番です。
植物の種を土に埋めて、なかなか芽が出ないからといって、種を押したり揉んだりしてあれこれ手をかけたら、早く芽が出るでしょうか?
いいえ、そんなことをしても芽は出ませんね。
人が手を貸してあげられるのは、種に合った環境(土、温度、水分など)を用意することだけで、あとは種の力に任せるのみです。
人も同じです。
「時」を待つしかありません。
859-3 大人にできるのは居場所を確保すること
「時」を待つにあたっては、その子にとって居心地の良い、安心できる「居場所」にいることが大事です。
ここでいう「居場所」とは、植物の種でいうところの、土・水・光などの環境です。
その種が一番芽を出しやすい環境のことです。
学校に居場所があると感じられるなら学校に行ったらいいし、家のほうが安心できるなら家にいたらいい。
自分にとって居心地が良い場所で、自分にとって関心のあることに向き合える環境なら、人は自分にとって必要なものを自分で選択できます。
大人が手を貸してあげられるのは、お子さんにとっての居場所を用意することです。
たとえば学校の居心地が悪いなら、お子さんに合う環境を工夫します。
それが療育でいわれる「環境調整」です。
居場所だけしっかり確保してあげて、あとはお子さんご本人に任せてみてください。
本日は以上です。
それでは、また。
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