853-1 目標は肯定形で
児童発達支援教室で、こんな目標を立てたお子さんがいました。
すぐ怒って爆発しないようにする
こちらのお子さんは感情のコントロールの練習を主目的に教室に来ていましたので、自分の現状をよく捉えた言葉だと思います。
ご本人がせっかく大切な目標を持っているので、一歩でも二歩でもそこに近づきたいものですよね。
こういうとき、目標は肯定形で設定することをお勧めします。
身体は否定形を受け取るのが苦手です。
「~する」は自然と行動が引き出されますが、「~しない」は行動にはつながりません。
853-2 達成度合いをわかりやすく
「~しないようにする」は、自分の弱点をよく知っているお子さんから頻繁に出てくる表現です。
指導者はぜひ、「では、そのためにどうするか」の段階まで、具体的な行動に落とし込んであげましょう。
今回の目標で言うと、たとえば怒りMAXで爆発するのが5段階の5レベルだとしたら、「3レベルになったら別室に移動する」「ムカッとしたら深呼吸する」など、肯定形の文章に整えていくと良いでしょう。
さらに、目標の達成度合いを計るための手立てを工夫しましょう。
目標の内容が目に見えること、たとえば「挨拶をする」「宿題をする」といったことなら、何回できたかがすぐわかります。
一方、感情の揺れは目には見えないので、できたかどうかの判別が難しくなります。
さらに言えば、そもそも感情は揺れて当然の存在ですから、「怒りを完全に抑え込む」ことを目指すイメージでいると苦しくなってしまいます。
853-3 一歩でも行動が引き出されたらOK!
ですから、「5レベルの爆発が去年は10回あったが今年は5回になった」「3レベルで別室に移動することが3回できた」など、できたことを数値化してキャッチしていくと良いでしょう。
子供たちにはこうした柔軟な目盛りの設定は難しいことが多いです。
0か100かで状況を捉えがちなので、指導者がお子さんの変化を細かく拾い上げてあげましょう。
目標とは、額に入れて麗々しく飾っておくものではなく、もっと泥臭く使い倒すものであっていいと思います。
必ず達成することを目指すのではなく、その方向に向けて一歩でも行動が引き出されたら、その目標を立てた意義があったと言えるでしょう。
子供たちがそんな目標を抱いて、日々新しい一歩を踏み出していけるように、三輪堂も応援しています。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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