823-1 スケジュールを確認したがる子
スケジュールを何度も繰り返し確認しないと気が済まない子がいます。
時間の流れを把握しながら生きていくのは本当に大変なことだと思います。
自分自身もそういうタイプでしたし、今でも、急なスケジュール変更や、あまりにもたくさんの選択肢(=スケジュールが分岐する変数が多い)や、突然割り込んでくる緊急タスクなどは、すごく苦手です。
だから、”スケジュール確認魔” になる子たちの気持ちはよくわかるような気がします。
幼い頃のわたしは、時間の流れの中で、自分がどこにいて、何をするべきなのか、自分の現在地を捉えられませんでした。
それでも、何かをしろと求められていることだけはわかっていたので、周りのみんなは何かに向かって動き出しているのに自分だけ次に何をするのかがわからない状況に、非常に不安を感じていました。
だから何度も頭の中に情報を探しに行って、口に出して確認します。
823-2 スケジュールの視覚化の本当の意味
長じてからは、タスクメモやスケジュール表を書いて管理できるようになりました。
これは、頭の中のものをいったん外に出して置いておく作業です。
タスクメモを書いたからといって、時間の流れを捉えきれたわけではなく、結局そのタスクメモを何度も見直して確認したりしているのですが、頭の中をいちいち探し回ってワーキングメモリを酷使して疲れたり、口に出して周囲にうっとおしがられるよりは、はるかにマシになりました。
療育でも、スケジュールを視覚化して、先の見通しが立つようにしてあげようとよく言われます。
それはとても効果的な支援ですから、ぜひお願いしたいですが、やみくもにやればいいわけでもありません。
大切なのは、その子がそのスケジュールを見て安心できることです。
頭の中を探すかわりにそのスケジュールを見れば大丈夫、頭の中の情報を口に出すよりもっと見やすくて使いやすい、と納得できることです。
823-3 安心できる情報は人それぞれ
どんな情報を把握できていれば安心かは人によって違います。
たとえば学校のスケジュールよりも、お母さんがお仕事から帰ってくる時間を把握していたいと感じる子もいますし、お友達と遊ぶスケジュールを分刻みで決めたい子もいますし、自分にとって興味関心の高いものは把握したいがそれ以外はわりとどうでもいい、という子もいます。
その子にとっての必要性に応じてスケジュールの濃淡をつけられると、なんでもかんでも把握しなければならない負担感が減って、より無理のない生活につなげられます。
イレギュラーな状況でパニックを起こしていたような子も、自分にとってのスケジュール管理がうまくいくと、気持ちの切り替えも上手になってきます。
生活することに慣れてくるのでしょうね。
上手なスケジュール管理ができると、自分自身の居場所と、次に進む場所を把握できて、安心につながります。
そんな情報を、ぜひ一緒に整備してあげてください。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。
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