665-1 子供に何かを指示するとき
大人が子供たちに何かを指示したり依頼したりするとき、ぜひ忘れずにいたいなと思うことがあります。
それは、子供には「断る」自由がある、ということです。
たとえば腕を外旋方向に360度回そうとしても、普通はまず不可能です。
身体は、命令されても、できないものはできません。
腕は360度外旋しろと命令されても断っているわけです。
もしここで断る自由がなければ、骨が折れるか関節が外れるか、いずれにせよろくなことになりません。
大人は、何気なく、決めたことやルールをその通りに守ろうとし、子供にも守らせようとします。
そのために決め事というものは存在するのですから、当然といえば当然です。
でも別に、断ってもいいはずです。
665-2 自分の中に存在しないものは表出できない
なぜ大人が断るという選択肢を用意しない(用意することを思いつかない)かというと、自分自身が断るという選択肢を持っていないからです。
うまく断れない、断ることに抵抗を感じる、断ってはいけないと感じる、などなど、、、
たとえば「デキるビジネスパーソンの仕事術」のようなテーマの記事でよく、上司からの仕事の依頼をただ断ると仕事ができないと思われるから、代替案を提案しろとか、期日を延ばすように交渉しろとか、そういうことが書いてあるのを見ます。
確かにそうかもしれませんね。
でも、なんで、ただ断ってはいけないのでしょうか?
やりたくないから、今は別のことをやっているから、気が向かないから、興味がないから、、、
だから素直に断る、という世界があっても良くはないでしょうか?
665-3 断って、別の形で動く自由
仮にあなたの部下が、あなたの指示を「やりたくありません」と断ったとしたら、あなたは部下を「この人は仕事ができない」と呆れるでしょうか。
だとしたらあなたは、子供たちに、そして自分に、「断る」という選択肢を用意していない可能性があります。
子供たちが「ええー、そんなの嫌だ」などと反応すれば腹が立つし、自分も無理をしてでも頑張ります。
腕は360度の外旋はできません。
でも、別の形で動く自由があります。
身体は、全身の各部位が、それぞれの自然な働きを発揮することでバランスを取っています。
人間の社会活動もそれと同じようであって良いはずです。
大人自身の活動もそうだし、療育育児教育など、大人から子供への関わりもその通りです。
「断る自由」、あなたは持っていますか。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。