347-1 ▼ 子供たちにも説明する力は必須
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どうぞよろしくお願いいたします。
では本編です。
今回は「説明する力」について。
おしゃべりは好きでも、「説明する」場面になると困ってしまうお子さんがいます。
お友達同士でトラブルがあって何が起きたかを先生に説明する、とか、グループ学習で自分の意見を主張する、とか、皆の前でスピーチをする、とか、、、
子供たちの世界には「説明する」力が要求される場面がたくさんあります。
説明が苦手だと、自分の意見をなかなか周囲にわかってもらえず、苦しい思いをすることも。
347-2 ▼ 説明するときの3つのステップ
うまく説明するためには、3つのステップで情報を処理する必要があるとされています。
- 説明したい物事を頭の中に思い浮かべる
- 伝えたい情報だけを抽出する
- 適切な言葉に変換する
説明が苦手なお子さんは、この中のどこかのプロセスに苦手さがあると考えられます。
たとえば、
1でイメージが湧き過ぎて説明がまとまらない、 その逆にイメージを頭の中で思い浮かべることが難しい、
何を伝えれば相手にとってわかりやすいかの判断が甘く2で情報を絞り切れない、
語彙力が足りなくて3で使える言葉が少ない、
といったようにです。
347-3 ▼ 説明する力を高めるゲーム
そこで、説明する力を楽しく高めるためにお勧めのゲームをご紹介します。
このゲームは、1~3の力をまんべんなく活用でき、大人のサポートや難易度の調整も容易です。
物事を表現する力につながりますので、口頭で説明する場面だけでなく、作文やレポートなどを書く場面にも活きてきます。
説明して当てようゲーム
出題者がお題を決め、お題を表現するいくつかのヒントを出して、回答者が正解を当てるゲームです。
お題の例:りんご
ヒントの例:赤い、丸い、果物の仲間、手のひらに乗るくらいの大きさ、、、等
適切に・端的に説明して正解像を共有することが目的なので、答えられないように知力を尽くして難解なヒントを考える、というタイプのゲームではありません。
相手が当てやすそうな情報を取り出し、わかりやすく表現することがカギです。
出題者も回答者も、自分がよく知っている事物を、「色」「形」「大きさ」「何の仲間」「用途」などの情報に切り分けて考えることになります。
前項の「2.伝えたい情報だけを抽出する」の練習になります。
お題は出題者が考えることにすると楽しいですが、その場合は、出題役のお子さんだけが知っているマニアックな情報に偏らないよう、「この部屋の中にあるもの」「食べ物の仲間」など、大人がある程度テーマを設定してあげると良いでしょう。
また、自分でお題を決めることが難しいお子さんには、大人がいくつかのお題を用意しておいて、くじ引きのように選択してもらうのも良いでしょう。
言葉だけでイメージを思い浮かべることが難しいお子さん(前項の1に弱さがある)には、写真や絵カードを用意しておいてあげると助けになります。
お題が具体的なものであるほどイメージや表現がしやすく、抽象的になるほど難しくなります。
高学年のお子さんやイメージする力が豊かなお子さんには、「季節」「イベント」「国」「感情」など、色や形では説明できないようなお題を設定してみるのも楽しいでしょう。
ゲームというと勝敗がつくものだと思っているお子さんの場合、「相手がうまく答えられることが望ましい」というルールに納得できず、わざと難しいヒントや嘘のヒントを出して、相手が答えられないようにしてしまうことがあります。
うまくヒントが出せたら〇点、よく聞いて答えられたら〇点など、出題者と回答者の双方にとってより良い行動を取るとメリットになるようなルールを設定してあげると良いでしょう。
他にもいろいろと工夫の余地があります。
ゲームに参加するお子さんのご様子に合わせて、ゲームのやり方を細かく調整してみてくださいね。
ぜひ教室で、またご家庭で、楽しんでみていただければと思います。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。