こんにちは。三輪堂です。面白く生きる連載、249通目です。
249-1 ▼ 答えとしては正しいが
本日は前回の続きです。
楽しくゲームをやっていただけのはずだったのに、いつの間にか課金という選択肢が浮かんできたのはなぜだったのか。
▼ 前回の記事はこちら
ゲームが楽しくなって課金しかけたときに気づいた、目的と選択肢の話 前編
脳は、目的を設定するとそれにふさわしい答えを出してくれます。
だからこそ、ダイヤが3000個欲しい⇒じゃあ課金しよう、という答えを出してくれたわけです。
この答え自体は非常に正しいのです。3000個のダイヤモンドが欲しい、に対する答えとしては、効率的で時間もかからず最短距離で、最も優れていると言えます。
でも、そもそもの目的に立ち返ると、自分がこのゲームをやっているのは「楽しいから」でした。
その目的から照らしてみると、課金してダイヤモンドを手に入れるというのは、(悪くはないのでしょうが)ちょっと本末転倒ですね。
ダイヤを集めて良い大砲を手に入れるのは楽しさのおまけのようなものだったのに、いつの間にか本来の目的を忘れて、枝葉の目的のほうに気が向いていたのですね。
「楽しむ」ことを追求するなら、課金してダイヤと大砲を手に入れて、「その先どうするか?」を見ているべきでした。
249-2 ▼ 目的を見失うと脇道に踏み込む
同じことはしばしば育児・療育でも起こり得ます。
たとえば、小学校で何かがうまくいかないとき、そのためにその子が苦手意識を持ったり学習に抵抗感を持ったりしないように、働きかけを工夫したり環境を整えたりするのはとても大切です。
ここでよくあるのは、その学年に在籍している間にその課題をなんとかしようとすること。1年生の課題は1年生のうちに、2年生の課題は2年生のうちにクリアして、次の学年に進級したいと思う方が多いのですね。
でも、その子が生きる道のりを考えたとき、2年生の課題を2年生のうちに全て解決することが一番大切なことでしょうか。小学校でうまくいくことだけがその子にとっての目的でしょうか。長い目で見て、人生そのものを、充実していきいきと生き切ることこそが、大切なのではないでしょうか?
人はどうしても目の前のことに意識を集中しがちです。
保護者は学校で課題があると言われればそれをなんとか解決したいと思うでしょう。
小学校の先生はとにかく小学校を無事に過ごさせたいと思うでしょう。(ただ、それは致し方ない部分もあると思います。中学校から先のことは小学校の先生に報告が行くことは少ないですから、せめてこの小学校時代を楽しく過ごさせてあげたいと思うのが人情というものでしょう。)
でも、そのために無理をして、ご本人が追い付いていないのに勉強を詰め込もうとしたり、心身の準備が整っていないのに無理な課題を強いたりしては本末転倒です。
「充実して生きる」というメインストリートを歩いていたはずなのに、いつの間にか「2年生のうちに課題をクリアする」という脇道に踏み込んで、どんどん本道をそれていってしまうようなことになりかねません。
249-3 ▼ 大きな目的を見つめ直す
一番大切なのは何か?今これを行う目的は何か?
を、常に念頭に置いておくことが、脇道に入り込まないコツです。
この学年のうちにこの課題を終えたい、という目的があれば、多少無理をしてでも勉強を進めるという選択肢が出てくるでしょう。
一方、この子が人生を楽しく過ごせるように、という目的があれば、小学校のうちにこのくらいの課題はできるようになっておいたほうがいい、それなら大体〇年生までにここまではできるといい、といった選択肢になってくるでしょう。その流れの中で「2年生の課題を2年生のうちに終わらせる」ことが必要だというなら、取り組み方や受け取り方もまた変わってくるでしょう。
何かに夢中になると、視野が狭くなって呼吸が詰まりがちです。
息苦しさを感じるときは(身体的にも精神的にも抽象的な意味でも)、一旦その場から一歩離れてみてはいかがでしょうか。
大きな目的に立ち返って、本当はどうなるのが一番なのだったか?を見つめ直してみると、きっと、目的に応じた答えを、あなたの心と身体が教えてくれることと思います。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。