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お子さんの行動について誰かに相談する時、あなたはこんな伝え方をしていませんか?
「気に入らないことがあるとパニックを起こす」
「集団生活に馴染めない」
「親を困らせることばかりする」
・・・など、など。
何とかして状況を簡潔にまとめようとすると、こういう言い方になりますよね。
でも、実は、、、
この言葉では、ほとんど何も説明できていないといってもよいくらいなんです。
返ってくる返事も、曖昧で一般的なものになるでしょう。
この質問には具体的な情報がほとんど何もないので、そうならざるを得ないのです。
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相談をする時は、5W1Hを意識して話を組み立てるとよいでしょう。
5W1Hとは、
・誰が
・何を
・いつ
・どこで
・なぜ
・どのように
ということです。
口頭で伝える時も、文書で伝える時も、これを意識して状況を思い出し、文章を組み立てていくだけで、先方に伝わる情報量が格段に増えます。
毎回必ず5W1Hを全部伝えなくてはならない、ということではありません。
特に「なぜ」は、わからないことが多いですよね。
わからない情報を無理に考えて当てはめようとしなくても大丈夫です。
5W1Hに沿って考えていけば、自然と思い出せる情報が増えるはずなので、考える枠組みとして活用すればよいということです。
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さらに、、、さまざまな状況を一言でまとめている言葉を、できるだけ詳しく細かく説明していきましょう。
ZIPファイルのような圧縮ファイルを解凍して、中に含まれているデータを全て展開していくようなイメージです。
たとえば、「気に入らないことがあるとパニックを起こす」という表現をされるからには、あなたの頭の中には、実際にご自身が体験されたシーンが浮かんでいるわけですよね。
長期休み明け、明日から登校開始という前夜に、「学校になんか行きたくない」と泣き喚きランドセルを放り投げた、とか。
食事中に嫌いな食材を出した途端にそのお皿を放り投げて大声で叫んだ、とか。
こういった頭の中のシーンを、できるだけ具体的に、たくさん、伝えていけばよいのです。
上手にまとめよう、説明しようと思わなくても大丈夫です。
医師や専門家が求めているのは、きれいにまとまった話ではなく、たくさんの生の情報です。
要約されたデータではなく、いきいきとした、ご本人とご家族の息遣いが聞こえるようなストーリーです。
支援のヒントは、データの中にはありません。ストーリーの中にこそ隠れているのです。
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また、この時、お子さんの行動だけでなく、指導者の行動や周囲のお友達の行動も伝えましょう。
お子さんの困った行動が何によって引き起こされているのか? を想像するための大切な手がかりになりますし、
お子さんの困った行動に周囲の人々がどう反応しているのか? を知ることは、支援を工夫するために欠かせないことです。
状況がわからなければ、対策を考えることはできません。
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では、冒頭の例に戻って、どうすればより伝わりやすい質問になるかを考えてみましょう。
1.気に入らないことがあるとパニックを起こす
⇒「気に入らないこと」の具体例は?
⇒「パニック」はどんな状態か?
⇒周囲の大人はどんな反応をしているか?
⇒それに対するお子さんの反応は?
☆これまでに体験したパニックの実例をいくつも思い出しているうちに、「いつ」「どこで」「どんなきっかけで」といった5W1Hにつながる情報も自然と見えてきます。
2.集団生活に馴染めない
⇒「集団生活」はどのくらいの規模で、どんな子がいて、どんな先生で、どんな空間なのか?
⇒「馴染めない」はどんな状態か?
⇒周囲の大人はどんな反応をしているか?
⇒それに対するお子さんの反応は?
☆集団生活に関するトラブルの場合、教室のレイアウトや先生の授業進行の方法、クラスメイトとの関係性など、周囲の環境の情報が極めて重要です。教室の様子を写真に撮る、ノートや連絡帳の実物を持参するなど、できるだけ濃い情報を伝えるのがbetterです。
3.親を困らせることばかりする
⇒「困らせること」の具体例は?
⇒いつから始まったか?
⇒この時、親はどんな反応をしているか?
⇒それに対するお子さんの反応は?
☆これまでに体験した「困らせること」の実例をいくつも思い出しているうちに、「いつ」「どこで」「どんなきっかけで」といった5W1Hにつながる情報も自然と見えてきます。
☆子供が意識的に親を困らせようとするということは、その子が一定の発達年齢に達したということです。つまり、「いつから困ったことが始まったか」を思い出しやすいのがこの質問の特徴です。「いつから」がわかると、その前後の家庭内・学校内での出来事などからも、支援のヒントが見えてきます。
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医師や教員に相談しようとする保護者、医師や療育施設に相談しようとする幼保小の先生方など、「誰かに相談したい誰か」のお力になれれば幸いです。
それでは、また!