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支援ツールを考える

こんにちは。三輪堂です。
だいぶしばらくぶりの更新です!

どうも自分は、まんべんなく全ての媒体に手をかけることができませんで・・・
LINE@に集中している時はLINE@だけ、サイト構築に集中している時はサイトだけ、という感じで、他の媒体へのアプローチがおろそかになってしまいます。
最近は、クライアント様のサイト構築に完全に集中しておりました。
サイトがだいぶ形になってきたので、戻ってまいりました。

さて、あるきっかけから、発達障害のお子さんへのデジタル支援ツールの在り方について考える機会をいただきました。

最近は、少なくとも首都圏においては、ICT教育についての理解がだいぶ広まってきている肌感覚があります。
平成28年4月に施行された障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)の存在も大きいのかもしれません。
ICT教育や発達障害にまつわるアレコレについてあまり詳しくない方でも、「学校でタブレットとかを使って勉強するんでしょ」というくらいの、ザックリとした認識は持ってくださっていることが、格段に増えたように感じています。

各種の大手メディアが、「合理的配慮」や「支援ツール」について情報発信されていることも、知見を広める一助になっているのだろうと思います。

たとえば朝日新聞ではこんな特集が。

朝日新聞DIGITAL 凸凹の輝く教育

で、その「支援ツール」、中でも特に「デジタル支援ツール」についてですが。
スマホやタブレットが飛躍的に普及したおかげで、一昔前と比べても、本当に使いやすくて便利なアプリがたくさんあります。
たとえばノートテイク系のアプリ。
タブレットとスタイラスペンでノートをとるなんて、ちょっと前までは意識高い系や若いビジネスパーソンがイキって使う道具っていう感じでしたが、今では誰でも手軽に使えるようになってますもんね。
インスタにアップする写真を加工するとか、画像にテキストやスタンプを追加するとかっていう編集スタイルがあまりにも身近になったあたりから、デジタルなノートテイクも誰も驚かなくなったような気がする。
それに合わせて、ノートテイク系のアプリもどんどん増えて進化しています。

これは、定型発達の人たちだけでなく、発達障害の人たちにとっても、非常に便利な方向性でした。
たとえば文字を読むことや書くことに苦手さを持つ人は、紙と鉛筆での古き良きノートテイクスタイルでは本来の実力を発揮できないわけです。
でも今では、タブレットに録音もできる、音声入力もできる、写真も撮れるし貼れる、もちろん手書きメモも追加できる、印刷して提出もできる。
必要なことはほぼ何でもできます。
定型発達の人にとっては、直感的にわかりやすいノートを作るために役立つツールだし、発達障害の人にとっては、自分の苦手さを補えるツールとなっているわけですね。

で、一般社会、少なくともデジタルガジェットに抵抗感のない界隈でのノートテイクアプリの広まりにやや遅れて、学校の世界でもデジタルを取り入れようという動きがようやく活発になった。
学校ってやつはいつの時代も超絶保守の極みだと勝手に思っているんですが(そうじゃない学校もあるんだろうけど)、学校以外の世界ではみんながフツーにデジタルなやりとりをしている中で、学校ではずーっと紙と鉛筆でしこしことノートを取ってきたわけです。
もちろんそれが悪いとは言わない。読み書きは大事な基礎だし。でも、それができない人がいるという前提に立つのが、そしてそれを電子的に解決できるという選択肢を取り入れるのが、あまりにも遅かったと思う。
わたくしなんぞの目にはうつらない何かしらの事情や理由があったんだろうとは思いますが、発達障害の当事者・支援者から言わせてもらえば、そんな事情はくそくらえですよね。
ICT教育なんて大層な名前をつけてはいますが、一歩学校の外に出ればフツウにスマホやタブレットを使いこなしている人々があふれているというのに、学校って本当に何をやってるんだろうなあと思いますね。
ちなみに言わずもがなですが、「ICT」とは「Information and Communication Technology=情報通信技術」のことで、ICT教育とは、情報通信技術を活用した教育、という意味であります。うん。小難しい。

で、障害者差別解消法がきっかけになって、いよいよそのICT教育の裾野が広がりつつあるわけですが。
先述の朝日新聞の記事などは、教育や障害やICTに興味関心を持たない一般の方々の中にもその裾野を広げるために善戦されている、というところではないかと思います。

わたしのところにも、時々、「オススメの(デジタル)支援ツールはありませんか」というお問い合わせをいただきます。
また、たまにこちらから「こんなツールがあるよ」とご紹介する記事を書くと、「そんな便利なものがあるんですね、使ってみます!」とメッセージをいただいたりもします。
そういうやりとりをするたびに、熱心に支援されている方がいらっしゃることへの喜びを感じつつ、(なんか違うような気がするなあ)、と感じていたのですが・・・
今日ようやく、その違和感の正体が見えました。

要するに、支援はツールありきではない、ということです。

そもそも支援ツールは、当事者の困り感を掘り起こす過程で生まれたものであり、当事者が生活する中で感じる壁を越えやすくするために使用するものです。
ですから、たとえば特別支援学校の先生が、誰々君のこういう困り感を解消するための支援ツールはないか?と探し回って、フィットするツールを見つけて使う、というような事例は、すごく納得がいきます。

その一方で、昨今のICT教育ブームによって、デジタルツールにことさら脚光が集まっています。
でも、デジタルツールに注目するあまり、いろんなデジタルツールを使ってみよう、何でもかんでもデジタルツールじゃなきゃいけない、デジタルツールでなんとかしようとする、のはちょっと違うと思う。

デジタルツールがこんなに発展し勢力を拡大する前から、「その子に合わせた、特別な」支援は存在していたわけです。
もちろん当初はアナログだったその支援ツールは、熱心な現場の教職員、支援者、保護者たちの力で、無数の「その子に合わせた、特別な」働きかけが生まれ、磨かれ、洗練され、時には淘汰され、その子の成長発達に合わせて内容を変化させる中で、脈々と続いてきました。
デジタルツールは、今たまたま、その進化の先頭にいるに過ぎません。

だから、デジタルツールがあって初めてまともに支援ができる、かのような受け取り方をしてほしくないなあと思うんです。
特別な機械だのアプリだのがなくたって、たとえば多くのスマホにデフォルトで入っているメモ帳アプリや時計アプリでだって支援はできるし、100円ショップや文房具屋さんで売っているホワイトボードやマグネットを使ってもいいし、付箋ひとつ、ビー玉ひとつだって支援ツールになるわけです。
それらの一般的な道具が支援ツールたり得る理由は、支援者が、「その子に合わせた、特別な」働きかけを模索し、その子の在り方、特性、困り感に繊細に寄り添って、真剣に考えているからに他なりません。

アナログであれデジタルであれ、支援ツールが便利で手軽な存在になってきているからこそ、すべての土台は目の前のその子の在り方を見つめるところからスタートしていることを、再確認すべきではないかと感じます

逆に言うと、それさえ踏まえておいてくれたら、今ほど自由に支援を楽しめる時はこれまでにないですよね。
ノートテイクひとつとっても、アプリがめちゃくちゃたくさんあるんですから。
まずは無料のものを一つ二つ試してみて、「こういう機能が使いやすい」「こういう機能はいらない」と少しずつ確認していって、最終的にその子にとって一番使い勝手のいいアプリを選択すればいい。
有料アプリを買うにしても、無料アプリを事前に触ってなんとなくゲシュタルトを作っておけば、買って失敗した~と思うことも少ないと思います。

また、支援ツールの存在によって、初めて自分の困り感に気づいた、ということも大いにあり得るでしょう。
定型発達の人でもよくありますよね。
今までのやり方で特に不便にも感じていなかったけれども、〇〇というツールを使ってみたらすごく便利で、実は今までのやり方って無駄だったんだと気づく、みたいな。
こういうのも 見える化 っていうんでしょうね。
それはとても素晴らしい一歩だと思う。

あとは、支援者の経験則やスキルの差、準備にかける時間や手間の削減にも対応しやすくなっているのも大きいと思っています。
たとえばまたまた朝日新聞さんにご登場願いますが、この記事で紹介されている「きもち日記」。

朝日新聞DIGITAL 凸凹の輝く教育
ツール(7)きもち日記http://www.asahi.com/area/tokyo/articles/MTW20190408131610001.html

気持ちの表現を支援するために選択式で文章を書く手法は決して珍しいものではなくて、これまでも紙の形ではよく行われてきた(現在も行われている)ものです。
ただ、紙の形で支援教材を準備するには、多少なりとも手間がかかるし、そもそも、こういう支援方法があってこういう選択肢を用意すると有用だ、ということを支援者側が知っている必要がありました。
その点、デジタルツールの場合は、アプリやソフトを準備するだけでいい。
支援のやり方はツールが教えてくれる。
支援の流れも、学習項目も、インタラクティブなやりとりさえも、すべてオールインワンになってるわけですからね。
これも、とても素晴らしい一歩だと思います。

こうして支援ツールや支援環境の変化が脚光を浴びている今だからこそ、改めて、支援の本質を見直す時なのかもしれないなあと思ったのでした。

というわけで、、、
今回はひたすら、読みやすさを工夫することもせず、自分の思うことだけをツラツラと書かせていただきました。
ここまで読んでくださった方、誠にありがとうございました!!

それでは、また。
今日も明日も、あなたに明るい風が吹きますように。

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この記事を書いた人

楽しい療育の三輪堂 主宰

身体の原理原則で、育児も人生ももっと面白く。

ふとしたきっかけでゼロから独学で療育を学び、療育の知恵はあらゆる人に当てはまる人生の知恵であると確信。従来の療育知識に整体・武学体術・エッセンシャルオイル等を取り入れ、身体の原理原則にもとづいて無理なく心身を活かす道を提案中。日常生活のすべてが学びになり、よりよく生きるヒントに変わる生き方を実践しています。

活動フィールドは、情報発信・執筆・オンライン療育相談・身体と心のつながりを深めるセミナー・エッセンシャルオイルと整体を組み合わせたケア・志を発信する媒体作成など。

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