769-1 お子さんの言葉が遅いと思うとき
お子さんのお話がぎこちない、言葉が遅い、といったご心配をお持ちの親御さんのお話を伺うことがあります。
皆さんがよくおっしゃるのは、周囲に相談しても
「男の子だから言葉が遅くても当然」
「うちもそんな感じだったけど今は話せるようになった」
など、根拠のない(?)経験論を伝えられて終わってしまい、モヤモヤが残った、ということ。
769-2 言葉は複雑な育ちに支えられている
実際、言葉の育ちには、
- 脳機能の働き
- 構音器官(=舌、唇、顎など発声のために用いられる器官)の育ち
- 耳の育ち
- 身体の育ち
- 手の育ち
- 情緒の発達
- コミュニケーション意欲
などなど、さまざまな要素が複雑に絡み合っています。
言葉を話すことはこれほどに複雑な現象なので、直感的に「そんな感じだった」としか表現できないのも、無理もないのかもしれません。
統計的には、4歳半くらいで90%のお子さんが五十音を言えるようになるとされています。
中でも特に発音の難しいサ行・ザ行・ラ行を90%のお子さんが言えるようになるのは、5歳半から6歳ごろにかけてです。
というわけで、2~3歳くらいのお子さんのお話は、まだまだはっきりしなくても当たり前、というイメージです。
769-3 言葉の訓練を開始できる目安
言語聴覚士の先生に伺ったところ、言葉の訓練を開始する目安は、以下のことができるようになってからが望ましいということでした。
- 発音が全体的にはっきりして、言えない音が特定できる
- ご本人が発音についての意識を持っている(音が間違っていることを自覚できている)
- ひらがなが読める
- 大人の指示を聞いて行動できる
これができるようになるのは、おおむね5歳を過ぎてからだろう、ということです。
お子さんの言葉がゆっくりだなと感じられると、親御さんはどうしても焦ったり、不安になったりしがちだと思いますが、特別な訓練をしなくても、ご家庭でできる取り組みはたくさんあります。
次回は、言葉の育ちを促すためにご家庭でできる取り組みをいくつかご紹介します。
本日は以上です。
それでは、また。
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