516-1 ▼ 自分の苦手さを受け止める
昨日は「つながり」について書きました。
つながりを深めるための一つの方法は、「自分の苦手さ」を否定しないこと。
自分の良いところも不出来なところも素直にそのまま受け止められる人は、大体何をやっても最終的にうまくいくように思います。
さて、自分の苦手さを捉えるには十分な自己理解が必要ですが、自己理解を深めていくプロセスには複数の段階があります。
各段階を十分に満たした上で自然に次の段階に進むのが理想的ですが、本人の性格、環境、周囲の関わり方といった要因によっては、不十分な形でその段階を終えることがあります。
それが積み重なると、その人の内側のつながりの網目が粗くなったり歪んだりすることがあるのかもしれないなと思っています。
516-2 ▼ 自己理解が深まるプロセスと周囲との関わりによる歪みの例
最初のステップは、「やればできる」「チャレンジしてみよう」と思える自己有能感、自分への信頼の土台を築くことです。
何かにチャレンジして自分自身が十分に頑張ってみたと思えるその先に、「これは苦手かも」「ここが難しい」という場面が出てくると、自然と「誰かに手伝ってもらいたい」「やり方を教えてもらいたい」といったニーズも生まれてきます。
自己有能感が土台にある人ならば、「手伝ってもらうことは悪いことではない」「教えてもらうことは恥ずかしいことではない」という感覚で人と協力し合うことができますし、同時に、「自分でできることは自分でやろう・やりたい」という感覚も育まれていきます。
ここでたとえば、本人が助けを求めたときに周囲が「こんなこともできないのか」「努力が足りない」などと対応すると、その人は、できないことは悪いことで、自分のできない部分は隠したほうが良いと学びます。
またたとえば、本人はもっと頑張れると思っているのに周囲が「あなたにはまだ難しいだろう」と先回りして過剰に支援すると、その人は、頑張ることを諦めたり、他者の援助を拒否したり、自分から積極的に行動しなくなったりするかもしれません。
516-3 ▼ 今いる段階を十分に満たすと自然に次に進む
どんな状況も、その人にとって大切で必要な「今」という段階です。
周囲が関わるときには、関わり手の価値観で判断したり優劣をつけたりするのではなく、その人の段階を尊重して、そのまま受け止めて寄り添いましょう。
周囲とのそうした関わり合いの中で、十分に自分の今いる段階を満たすことが、自分らしく本来の心身の力を発揮して生きることにつながります。
もちろんこれは小さなお子さんだけの話ではなく、大人になってから全部の段階をたどり直したって良いわけです。
お子さんの段階を支援しながら、親御さんも一緒にご自身の段階を見つめ直すことだってあるでしょう。
次回(1/10月祝更新)は、大人が自分の苦手さと向き合うこと、大人が自分のつながりを深めること、について触れてみます。
本日は以上です。
それでは、また。
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