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作文の書き方を考える

目次

278-1 ▼ 作文についてのご相談より

ときどき、作文についてのご相談をいただきます。
今回たまたまいただいたご相談がなかなか参考になると思いましたので、お子さんご本人と保護者様からご快諾をいただき、シェアさせていただきます。

2年生の女の子 Aちゃん
【テーマから(意図的に)逸れる】

Aちゃんのクラスでは週に2~3回ほど作文の宿題が出ます。
ときどき、作文に「テーマ」が課されるのですが、そのテーマを守らなかったらどうなりますか?というご相談でした。
そのときのAちゃんの作文の書き出しはこちら。

「今日のテーマはようふくですが、思いつかないので、ララのことを書きます。ララは、・・・」

278-2 ▼ テーマのある作文の場合

ララというのはAちゃんのお家の柴犬君です。
洋服というテーマを冒頭で退けて飼い犬のことを書くというかなりの力技を見せてくれました(^ ^)

個人的には大好きな文章ですが、先生の指導意図によっては評価が分かれるかもしれません。

課題作文のテーマは、特に低学年の場合、作文を書きやすくするために設定することが多いです。
大人も子供も、完全な自由を与えられるよりも、何かのガイドがあったほうが行動が引き出されやすいのです。

今回の「洋服」のような具体物についてのテーマは比較的書きやすく、「春」「喜び」といった抽象的なテーマはぐっと書きにくくなります(低学年で出題されることは少ないだろうと思いますが)。

テーマ作文は、テーマに沿った文章が書けるか、テーマという文脈に沿って自分の思考を展開できるか、という練習にもなります。
たとえばお友達とおしゃべりをしているときに、皆がアニメについて話しているのに、自分だけゲームの話をしていたら、話が合わないですよね。
テーマ作文は、形のない、その場の文脈というものに自分を寄り添わせていく、高度なスキルにつながっていきます。

今回のAちゃんの場合は、テーマ自体は理解していて、「書けないから別のことを書く」と宣言していますから、一応文脈を拾っているとは言えます。
もしかしたら先生からご指導が入るかな~・・・とも思っていましたが、何事もなくハナマルがついて返ってきたとのことでしたので、先生的にもOKだったみたいです。

278-3 ▼ ネガティブな表現

3年生の男の子 B君
【つまらない日】

親御さんから、「こんなことを書いていいんですか?」とお尋ねがあったB君の作文がこちら。

「今日は、何もない、つまんない一日でした。」

シンプルで力強い文章ですね。
親御さんが気にされていたのは、「つまらない」ということを作文などに書いてしまっていいのか?ということでしたが、答えは「全然OKです!」。

小さなお子さんは自分のネガティブな部分を表現しづらいことがあるのですが、ネガティブだから悪い、ポジティブだから良いということは全くありません。どちらも等価なものとして扱いましょう。

B君のようにネガティブなことも書けるのは素晴らしいことです。
親御さんとしては「本当はもっと良いこともあったのに」「もっとちゃんと書けるのに」という思いもおありだったろうな~とは思うのですが、こういう文章を素直に書けるのは素晴らしいことですね。
周囲に安心を覚えているからこそ表明できる、「つまんない一日」の描写だったろうと思います。

ちなみに、この作文に対する先生のコメントは「そういう日もあるよね」だったそうです。
いやはや、作文は面白いですね!


本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。

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この記事を書いた人

楽しい療育の三輪堂 主宰

身体の原理原則で、育児も人生ももっと面白く。

ふとしたきっかけでゼロから独学で療育を学び、療育の知恵はあらゆる人に当てはまる人生の知恵であると確信。従来の療育知識に整体・武学体術・エッセンシャルオイル等を取り入れ、身体の原理原則にもとづいて無理なく心身を活かす道を提案中。日常生活のすべてが学びになり、よりよく生きるヒントに変わる生き方を実践しています。

活動フィールドは、情報発信・執筆・オンライン療育相談・身体と心のつながりを深めるセミナー・エッセンシャルオイルと整体を組み合わせたケア・志を発信する媒体作成など。

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