先の見通しを立てるのが苦手な子によく見られる姿
先の見通しを立てるのが苦手なお子さんは、活動時間の区切りを理解しづらいことがあります。
たとえば、こんなお子さんの姿がよく見られます。
今している楽しい活動をなかなか止められない
せっかく楽しんでいる活動を突然止められた(本当は全体指示などで終了時間が告知されているのだが伝わっていない)ために、パニック行動などで強く拒否を示すことも。
今している苦手な活動がいつ終わるのかわからない
辛い活動をいつまで続けなくてはいけないのか、見通しの立たない不安が高まって、離席、イライラ、パニックなどの行動で表現することも。
「あと10分です」等の声かけの意味がわからない
言葉をうまく聞き取れない、言っている単語の意味がわからないなど、「わからない」の真相はさまざまですが、そんな「わからない」言葉をたくさん投げかけられ、しかも何かの行動を求められていることはわかっていて、でも何をしていいかわからない、という状況になると、困惑が頂点に達して、これまた離席やパニックの原因に。
見通しをつけやすくするタイムタイマー
ご本人にはとても辛い状況ですし、指導者も困ってしまいますね。
この状況を改善するためによく使われるのが、タイムタイマーです。
タイムタイマーを使うと、この活動をいつまで行うのかが一目でわかり、不安を解消できます。
タイムタイマーとは、たとえばこういうものです。
療育施設等でも多く使われている便利なツールです。
タイムタイマーは時間の融通が利きにくい
ところでこのタイムタイマーは、キッチリ時間通りに30分なら30分を測ってくれる道具です。
言ってみれば融通が利きません。
厳密に所要時間を設定できる活動にはとても向いているのですが、指導者の都合で時間を調節したい時には、ちょっと使いづらいこともあります。
30分間の外遊びの予定だったけれど、雨が降りそうなので、急いで切り上げて帰りたい・・・
実際の生活の中では、こういうこともよくありますよね。
手動のタイマーの制作例
そんな時にオススメしたいのが、こちら。
いわば手動のタイマーです。
マグネットを時間軸に沿って移動させる
中央の矢印が時間の軸で、マグネットを手で移動させることで、時間経過を表します。
矢印をいくつかに区切って、区切りごとに数字を振ったり、色をつけたりするのも良いでしょう。
お子さんが理解しやすい見せ方を工夫してみてください。
活動のステップを設定する
この例では「①あそぶ→②おしまい」の2ステップですが、3ステップ以上に増やすことも自由にできます。
活動の全体像を示すことにもつながります。
お子さんが喜ぶ見せ方で
たとえば電車が好きなお子さんでしたら、中央の矢印を線路にして、電車の形のマグネットを移動させるといった工夫も楽しいでしょう。
思わず注目したくなるような見せ方を工夫してみてください。
メリット・デメリット
使用する際は、指導者が時間配分を気にしながら、少しずつマグネットを移動させます。
急いで活動を終わらせたい時は、マグネットを動かす間隔を短くしたり、「スルスルスル~」などと楽しい擬音をつけながら残り時間を一気に進めたりして使います。
時間の短縮や延長など、柔軟に対応できるのがメリットの一つです。
一方、指導者が活動中に細かく時間を気にしてマグネットを移動させる必要があるところは、手間に感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
その点は、自動のタイムタイマーと比べて、一長一短ですね。
状況に応じて使い分けていただければと思います。
ご参考まで!
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育児・療育は親子の育ち合いです。
お子さんのお話だけでなく、親御さんのお話を伺うことも大切な時間です。
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