717-1 常用漢字表の字体・字形に関する指針
あまり知られていないのですが、文科省は2016年に、とめ・はね・はらいは漢字の正誤基準にはしませんよ、と発表しています。
抜粋
仮に,文字の形の整い方が十分でなく,丁寧に書かれていない場合にも,また,美しさに欠け稚拙に書かれている場合にも,その文字が備えておくべき骨組みを過不足なく持っていると読み取れるように書かれていれば,それを誤った文字であると判断することはできない。
(中略)
字形の違いが字体の違いにまで及ばない限り,特定の字形だけが正しく,他は誤りであると判定することはできない。
引用元
文科省(の外局である文化庁)による常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告) https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/2016022902.pdf
717-2 漢字の許容範囲は結構広いんです
ひらたく言うと、はねていようといなかろうと、バランスが悪かろうとなんだろうと、その漢字として読めるならそれでOKということです。
「土」と「士」、「未」と「末」のように、線の長さで別の漢字になってしまうとか、「石」と「右」のように、線がはみ出るかどうかで漢字が変わるとか、文字の種類にまで影響する場合は正確に書くことが求められますが、そうでなければ、漢字は多少ゆるく書いてもOKなのですね。
その一方で、学習指導要領(これもつくっているのは文科省)では、状況に応じてもうちょっと厳しく指導されることもありますよ、とも書いてあります。
学校教育の現場で、相変わらずとめ・はね・はらいの有無で漢字がバツになるのは、先生のご指導の状況や方針によるところが大きいということですね。
717-3 皆が漢字を楽しめるように
先生の指導に応じて漢字を修正できる子、とめ・はね・はらいにストレスを感じない子ならばそれで問題ないと思いますが、見る力・書く力に弱さのある子は、細かい指導が負担になることもあります。
指導の結果、漢字学習が負担になったり、漢字を嫌いになったりしては本末転倒です。
その場合は先生に、正誤判定の許容範囲を広げていただくようご相談されてみてはいかがでしょうか。
文科省も「その字っぽく読めればOK!」と言っているわけですから。
漢字は、とても楽しく美しく奥深く、読み書きを通して生きることの役にも立ってくれる相棒です。
あまり難しく考えず、子供たちがみんなで漢字を好きになって楽しんでくれたらなあと思っています。
本日は以上です。
それでは、また。
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