346-1 ▼ 「わかる」と思っているけれど
子供たちの学習を見ていると、ご本人は「わかる」「できる」と思っているけれども、実際にはそううまくいっていないことがあります。
たとえば文章を読むときに一音ずつ拾い読みをしている場合。
「わ、た、し、は、き、の、う、い、え、で・・・」
といった具合です。
確かに「読めてはいる」のですが、「私は昨日、家で・・・」という意味の塊を捉えることが難しかったり、できても非常に時間がかかったりする可能性があります。
またたとえば算数で、「8×6=?」を計算するとき。
「はちろくしじゅうはち」がパッと出てこず、「8×1」から順番に九九をたどり直していることがあります。
当然ながら解答までに時間がかかりますし、計算が長引くほどそもそもの問いを忘れてしまって、途中で何をやっているのかわからなくなってしまうことも。
2桁以上のかけ算や割り算など、より複雑な計算になると、到底これでは太刀打ちできません。
346-2 ▼ スムーズさが足りていない
お子さんが「自分はできている(から困っていない)」と思っている場合、大人の支援の手が届くまでに時間がかかることがあります。
このような状態は、「できてはいる」けれども、「使いこなすためのスムーズさ」が足りていない、というイメージで捉えてみるとわかりやすいかなと思います。
この状態は大人にもよくあります。
たとえばダンスやピアノといった実技は、完全にできるようになるまでは踊りも演奏もつまずきがちでしょう。
仕事でも、新しい手順や技術を身に着けるようなときは、作業にいちいち時間がかかったりぎこちなかったりすることがありますね。
スムーズにできるようになるためには反復練習が欠かせません。
大人は反復練習ができる(ことが多い)のですが、小さなお子さんは反復に飽きたり嫌がったりと、なかなかそうもいきません。
放置していて学習が手遅れになる前に、お子さんに合った方法で適切にサポートしてあげたいものですね。
346-3 ▼ 支援の一例
支援の具体的な方法はさまざまに考えられます。
たとえば拾い読みをしているお子さんには、文字を一つずつではなくまとまりで捉える練習をしてみましょう。
一例として「単語作り遊び」をご紹介します。
単語作り遊び
ひらがなカードをランダムに広げます。
「しか」「りす」など、指導者が指示した音のカードを取って並べ、単語を作ります。
難易度の調整も柔軟に対応できます。
- 「しか」よりも「かたつむり」のように単語の文字数が増えるほど難しくなります。
- 「じてんしゃ」「きんぎょ」のように拗音・促音・撥音が含まれる語は難易度が上がります。
- 意味のある単語ではなく「らみや」のように意味のない言葉(音)を作るのは難易度が上がります。
- 候補のひらがなカードの枚数を増やすと難易度が上がります。
- カードを取って並べるスタイルより、文字の一覧表に〇をつけて選択するスタイルのほうが難易度が上がります。
お子さんの様子を見ながら調整してあげてくださいね。
より個別具体的なご相談はオンラインセッションへどうぞ。
本日は以上です。
それでは、また。
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