こんにちは。三輪堂です。面白く生きる連載、238通目です。
238-1 ▼ 特性を捉えるために大切な「ある視点」
前回から、障害の受容というテーマで書き始めています。
✔️一般的には何歳ぐらいから自分自身の特性を見つめ始めるかということ、
✔️障害の有無に関わらず自分自身を受け止めることは誰にとっても大切であること、
✔️障害の受容という課題がお子さんの中に湧き起こってくるのは発達のプロセスとして素晴らしい一歩であること、
を書きました。
今回と次回は、その人が持っている発達の特性を捉えるためにとても大切な、ある観点について書いてみます。
発達障害というものを見る上で非常に重要な考え方だと思っているので、ちょっと長くなりますが、お目通しいただけると幸いです。
238-2 ▼ 他者の存在
障害という概念を考えるときは、「他者」が大きな要因になってきます。
人は必ず他者との関わり合いの中で生きています(ここでいう他者とは、人だけではなく、物体や空間も含みます)。
この関わり合いの中では、
1️⃣他者によって自分の中から引き出されるもの
2️⃣他者のまなざしによって評価される自分
この2つのベクトルがあります。
(もっと細かくも分けられるのですが、今はとりあえずこの2つで行ってみます。)
1の例としては、たとえば、人が多くてザワザワしている場所だと行動が乱れるが、静かな場所なら落ち着いて過ごせる、といった状態像がよく見られますね。
わたしたち大人も、どんな場所で、誰と一緒にいるかによって、自分の居心地の良さ悪さ、緊張するかしないか、のびのびと過ごせるか否か、等が変わってきますよね。
環境(他者)によって自分自身から引き出されるものが変化する例です。
238-3 ▼ 他者と関わる2つのベクトル
2の例としては、たとえばよくある困りごととして「授業中にじっと座っていられない、すぐ気が散る」という特性があります。
これは、一定時間の着席を求められる学校だからこそ課題として浮かび上がってくるので、好きなように身体を動かして構わない空間であれば、困りごとにはなりません。
また、その同じ特性が、たとえば周囲の情報を素早くキャッチして即座に対応する必要がある環境ならば、優れた特質として際立ってきます。(そういう環境でじっと座っていては、すぐに流れに取り残されてしまいますよね。)
このように、その場に応じた望ましい行動のルールがあり、それを見る人の視線があるからこそ、初めて特性が際立ってきます。
こうした「他者」を媒介とした2つのベクトルの中に、障害というものを捉えるヒント、そしてその特性を受容するためのヒントがあります。
続きはまた明日。
本日は以上です。
それでは、また。
いつもあなたに明るい風が吹きますように。