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先生と子供の距離の取り方のポイント3つ

先生と子供の距離の取り方

LINE@の読者さんより、こんなご相談をいただきました。

 

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私は○○県の療育施設に勤めています。
子どもと関わる仕事に就いて、数ヶ月でまだまだ関わり方にも不安を持っている状態です。
今関わっている子どもで、以前はこちらの言うことも聞いてくれていたのに、最近は一緒にお話をしていると、ふざけて何も進まないことが多くなってきました。
私を友達のように思ってくれているようなんですが、保護者の方からは先生として指導権を持ってほしいとのお言葉を頂きました。
指導員としての距離の取り方などをここで聞いて良いものなのかも分かりませんが、もしお時間がありましたら、何かアドバイスを頂けたらと思います。
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ご相談の方は、きっと穏やかで、優しい物腰の方なのでしょうね。お子さんが一目で「この先生、好き!」と直感できるタイプの方ですね(^ ^)

一方で、ご相談のように、お子さんが先生と友達感覚になって、馴れ合いの関係が多くなりがちなタイプでもいらっしゃると思います。

どちらが良い、悪いということは一切ありません。その方の個性と、理想の教育観や人生観、そしてお子さんとの相性によって、人間関係が決まってくるというだけのことです。

この方のご相談は、「指導員としての距離の取り方は」ということですが、もしかしたら距離を取らなくても、お子さんとの関係性は前に進んでいくかもしれませんよ。

大切なのは、この方ご自身がどのように療育・育児・教育を捉えているか、どんな働き方によってそれを体現できるか、ということです。

 

***

 

1.お子さんと共通認識をつくる

お子さんの年齢や発達段階にもよりますが、ある程度お話がわかるお子さんでしたら、まずは一度、静かな環境で、二人だけで話し合いの場を持ってみてはいかがでしょうか。

いつも活動する部屋とは違う部屋で、話し合いのために机を向かい合いにしておくなど、場を整えておくと良いでしょう。「あれ?なんだかいつもと違うな・・・」という感じを持ってもらうのが目的です。

 

・先生(今回のご相談者様)はこんな理想・信念・想いを持ってこの施設で働いているんだよ
・あなた(ご相談のお子さん)はなぜこの施設に通っているか、何の勉強・練習をするために通っているか、もう一度、一緒に確認してみましょう
・そのために先生はお母さんとも相談してこんなスケジュールを組んでいます(活動予定表や計画表などを提示できるとなおよい)
・あなたは普段の活動についてどう思いますか(活動の難易度や内容が合っていないせいでおしゃべりに逃げている可能性もある。その場合は活動内容を再考)
・先生とおしゃべりすることは楽しいかな
・先生とおしゃべりしていると、どんどん時間が過ぎてしまうよね(活動記録などで提示できるとなおよい)
・療育に通っている時間は、やるべきこと(計画表などを指差しながら)をやる大切な時間です
・おしゃべりは最初の5分にして、毎日やることをしっかりやろう(おしゃべりタイムはお子さんの様子や施設の都合に合わせて設定)
・毎日やることは、ここを見て一緒に確認しようね(その日の活動予定を個別に提示できるとなおよい)

 

・・・このような感じで、お子さんと話し合いながら、お互いの関係性や、施設での活動内容の意味合いを見つめ直してみてはいかがでしょうか。

お子さんにとって理解しやすい言葉遣い、文の長さ、表現方法などをよく工夫してみてください。
未就学のお子さん、抽象的な概念の理解度が十分でないお子さんの場合は、「今後はおしゃべりの時間と活動の時間を区切る」ということをイラストや具体物を使って明確にしてあげるだけでもよいでしょう。おしゃべりを拒否されたと受け取ってしまう場合もありますので、「先生はあなたが大好き」「でも、おしゃべりができない時間もある」ということを、繰り返し繰り返し、あらゆる方法を使って伝えていきましょう。

この話し合いを一度設けておくと、おしゃべりタイムと活動時間の切り替えの練習にもなりますし、活動時間中におしゃべりが始まった時に注意・指導することも容易になります。

また、活動内容への不満がお子さんから出てくることもままあります。○○の活動がつまらない、○○の活動は難しいからやりたくない、などなど。それに合わせて活動内容をすり合わせていくのもよいでしょう。おしゃべりが大好きなお子さんなのであれば、会話や、体を動かして相互にやりとりする課題を含めた活動に変更するというのも一つの手でしょう。

 

 

2.お子さんにとっての活動の位置づけを確認する

ここで大切なのは、お子さんの生活の流れを確認して、療育施設での活動がその子にとってどんな位置づけになっているかを想像することです。

たとえば学校や幼稚園などで毎日精一杯がんばっているお子さんなどは、療育施設で先生とおしゃべりをすることが大切な息抜きになっている可能性もあります。
学校や園から帰宅後は気が抜けたように休んでいる、グズグズ不機嫌になることが多い、といった様子を見せるお子さんの場合、学校や園での活動に相当のエネルギーを使っていると想像できます。
その場合、施設での活動が急に厳しくなると、逆効果になりかねません。

保護者に家庭での様子を確認したり、可能なら学校や園に普段の様子を見学に行ったりできると理想的です。

お話がしっかりできるお子さんであれば、上述の話し合いの中で、ここ(療育施設)で先生とおしゃべりをするおかげで、学校で頑張った分のリフレッシュができている、といったようなことが窺えることもあります。

お子さんにとっての活動の位置づけを自分なりに確認できたら、それをしっかり言語化して、お子さんの保護者と、全ての職員とで共有できるようにしておきましょう。

 

 

3.保護者と思いを共有する

保護者の思いも確認できるとよいですね。

「先生として指導権を持ってほしい」というご意見の裏には、どんな気持ちが隠れているでしょうか。
療育施設での活動が進んでいないというご不安は当然あるでしょうが、たいていの場合、それ以外にも様々な不安が入り混じっているものです。
たとえば数字の概念がなかなか身につかないとか、文字がなかなか書けるようにならないとか、集団生活がうまくいかないとか、お友達の○○ちゃんといつもケンカしているとか・・・
もしかしたら、先生ご自身が頼りないように見えているといったこともあるかもしれません。(ご相談者様に対しては失礼な言い方になりますが、我々教育に携わる者は、保護者からは常に「大切な我が子の人生を預けるに足る人物かどうか?」というシビアな目で見られていることを忘れないようにしたいものです。私も自戒をこめて書いています。)

極論を言えば、保護者の不安とニーズを解消できるのであれば、療育施設ではおしゃべりをしていたってよいかもしれないのです。
保護者がどんな不安・不満・要望・希望を持っているかを聞き出しながら、療育施設での活動の在り方を考え直していくとよいでしょう。

その際はぜひ、あなた(今回のご相談者様)ご自身の、教育者としての理想・理念・志を、しっかりと言葉で伝えていただくことをお勧めします。
あなたが若かろうと、経験が浅かろうと、関係ありません(今回のご相談者様のお年は存じませんが、たぶんお若い方ではないかなと想像しています^ ^)。
中には、経験の浅い先生への不安を持つ保護者もおられることでしょうが、ベテランなら誰でも立派な先生になるかといえば、決してそんなことはありません(残念ながら!)。
大切なのは誠意と熱意です。「今の自分にできる精一杯」を常に誠実に発揮しているかどうかということです。
あなたが今まで生きてきた中で積み上げてきた人生の知恵を、誠実に、精一杯、お子さんと保護者に伝えていただく。教育者としてできることはそれ以外にはないと思っています。

 

保護者に指摘をいただいた場合は、貴重なご意見として謙虚に受け止める必要があると思います。今回のご相談者様も、保護者のご意見を真摯に受け止めておられるご姿勢が、本当に素晴らしいなと思います。
一方で、保護者の意見は意見として、自分自身の軸もしっかりと持っている必要があるでしょう。療育・教育とは、人生そのものです。あなた自身の人生観が、そのままあなたの指導に現れます。身の回りにあふれる、ありとあらゆる情報の中で、自分にとってベストな選択をするためには、自分自身の判断基準が明確でなければなりません。

 

「指導員として威厳を持たなければ」などといちずに思い込んでしまわず、療育施設での活動がそのお子さんにとって・その保護者にとって・そしてあなた自身にとって、どんな意味を持っているのかを、改めて考え直してみてください。

そうする中で、どうすればいいかがきっと見えてくると思いますよ(^ ^)

 

 

 

限られた情報からのお返事になりますので、的外れの内容がありましたらご容赦ください。

何かのご参考になれば幸いです。

それでは、また!

 

 

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先生と子供の距離の取り方

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この記事を書いた人

楽しい療育の三輪堂 主宰

身体の原理原則で、育児も人生ももっと面白く。

ふとしたきっかけでゼロから独学で療育を学び、療育の知恵はあらゆる人に当てはまる人生の知恵であると確信。従来の療育知識に整体・武学体術・エッセンシャルオイル等を取り入れ、身体の原理原則にもとづいて無理なく心身を活かす道を提案中。日常生活のすべてが学びになり、よりよく生きるヒントに変わる生き方を実践しています。

活動フィールドは、情報発信・執筆・オンライン療育相談・身体と心のつながりを深めるセミナー・エッセンシャルオイルと整体を組み合わせたケア・志を発信する媒体作成など。

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