私は、理想的な学校空間とは

 

■その子にとっての「わかりやすさ」があり

■居心地がよく

■「わかった!」「できた!」という成功体験が積める場所

 

だと考えています。

 

 

実際には、集団の中でうまく行動できない、授業についていけないなどの理由で、このような理想が実現されているとはいえない環境も多くあります。

 

学校での学びがうまくいかない理由は、子供だけにあるのではありません。授業の進め方やクラスの雰囲気などを含めた、教室という環境も重要な要素です。子供たちの多様な学び方や行動の仕方を理解し、受け入れて、全員がスムーズに学習できる学び方を考えてみませんか。難しい教材・教具を使わなくても、ちょっとした工夫で改善できる箇所がたくさんあります!

 

 

 

1.教室を整理整頓し、余計なものを置かない。

授業に関係のないものがあればあるほど、子供たちの気が散ります。

余計な情報に触れることで混乱し、適切な行動を取れない子供も多いのです。

たとえば教室の前面には掲示物を貼らず、教室の後方に貼るようにするだけで、授業中に黒板に集中できる可能性が上がります。

 

 

2.座席の配慮で集中力を切らさない。

机やイスの足にゴムをはかせて音を防ぐ、

大人に注目してほしい子や黒板を見づらい子は前列の席にする、

周囲が気になる子の机は衝立で囲う、

など、座席を変えるだけでも一人ひとりが集中しやすい環境を作れます。

もちろんこれらの実現のためには、丁寧なアセスメントや行動観察が土台となります。

 

 

3.授業前に、道具を準備する時間を取る。
授業を聞きながら同時に「地図を出して」「赤線を引いて」などの指示に応えることが難しい子供がいます。

机の中から地図を探そうとして、ふと目に入ったコンパスに気をとられ、授業そっちのけで円を描いて遊び始める、などということも・・・。

授業に必要な道具をあらかじめ机の上に出しておけば、授業中の指示にも対応しやすくなり、学習の見通しもつけられます。

発達の段階に応じて、筆箱・教科書・ノートをどこに置くかを決める支援、机の上にマットを敷いて置き場所を図示する支援も効果的です。

 

 

4.常に「できている点」を認め、賞賛する。
誰でも人から褒められれば嬉しくやる気が出ますよね。特に発達障害のある子は生活全体を通して注意される経験の方が多くなりがちで、「自分はダメな奴なんだ」と思い込んでいることも少なくありません。

日頃から先生に認められる経験を繰り返すことで、自分には○○ができる、○○が得意だ、という前向きな自己理解を持つことができます。この気持ちが、明るい心を育み、学習意欲を引き出すことにつながります。また、友達同士でお互いの良いところを探そうという意識を持つようになると、クラスの雰囲気も改善します。

 

 

5.一つの指示で一つの課題。
特に学齢の低いうちは、複数のことを同時に言われると混乱して動けなくなる子供がいます。このような時は、作業を一つずつ切り分けることで迷わずに行動できることが増えます。先生の側も、その子がどこでつまずいているかを明確に把握できます。ビジネスパーソンのToDoリストも、一つの項目に一つの作業を入れると効率が上がりますよね。

複数の指示を同時に聞く練習を意図的に行うことも必要ですが、まずは一つずつの指示にしっかり対応できるようになってから、次のステップに進みましょう。

 

 

6.授業はテンポよく。
子供の集中時間は大人が思う以上に短いものです。その子の興味関心の持ち方によっても集中時間が異なります。大人でも、就業時間中に常に集中できる人なんていませんよね!?

一時限の中に複数の作業を設定し、集中が切れる前に違う作業に切り替えるなどして、テンポよく進行しましょう。

学齢の低い子供たちには、視覚・聴覚・運動感覚など、さまざまな感覚を活用する学習を取り入れるのも良いですね。

 

 

7.目で見てわかりやすい支援を。
たとえば平安時代の着物の様子を、言葉だけで説明されて、予備知識なしに明確にイメージできる人は少ないですよね。

イラストや図があれば理解しやすいのは誰でも同じです。その子の理解のレベルに合わせた視覚的支援を用意しましょう。

 

 

8.必要な助けを求める方法を教え、実行させる。
ハッキリ言って人生は困難の連続です。困ったことに出会う度にただ助けを待っていてはとても生活できません。適切な方法で適切な支援を求めることは、生きていく上で必須のスキルです。身につければ学校生活も格段にスムーズになります。

困ったことに自分で対応できるという自信が身につけば、新しい課題に進んでチャレンジしようという気持ちも育ってくることでしょう。

 

 

 

これらは、どのような学びの場にでも応用できる考え方です。

学校の授業だけでなく、家庭での日常生活や学習支援などにも活用されてみてくださいね!