こんなご相談を伺いました。
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4月から1年生になる高機能自閉症の男の子。
支援級に進学することが決まっています。
なぜ自分だけ違う部屋なのか?と疑問に思う時がいつか来ると思いますが、その時にはどんなふうに説明してあげればよいのでしょうか?
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このような時にぜひご参照いただきたい本をご紹介いたします。
発達障害のお子さんや保護者の診断に長年携わってこられた、吉田友子先生のご著書です。
自閉症・アスペルガー症候群のお子さんに診断を伝え、明るく前向きな自己受容を進めていくために、大変参考になります。
主な内容は、
■いつ、誰が説明するのか
■どのような手順で行うのか
■説明の効果と副作用は何か
■ひな型を用いた診断説明
■説明後の支援はどうしたらよいのか
などです。
説明手順が具体的なひな型として掲載されており、家庭で保護者が説明したり、学校で先生が説明したりする場合にも大変参考になることでしょう。
いつ説明すべきか?という項目では、タイミングを見極めるための12のポイントを丁寧に説明してくださっています。一般家庭ではなかなか思いつかない視点でのポイントも上がっていて、吉田先生の広く深い知見と温かなまなざしが感じられます。
文章は大変丁寧で読みやすいですが、専門家向けの記述もあります。専門家向けの指導が中心で読みにくいと思われる箇所は読み飛ばしてもよいでしょう。ただ、全体を通して読むことで、自閉症スペクトラムについての理解も深められると思いますので、お時間があればぜひ一読をお勧めいたします。