小学校にあがった頃あたりから、子供たちは相手の気持ちを考えることを促される機会が増えていきます。

たいていは、このような声かけとともに指導されることが多いようです。

 

「相手の身になって考えなさい」
「そんなことをしたら○○君はどう思うと思う?」

 

この声かけで充分に内省することができる子供たちも大勢いますが、それをとても難しいと感じる子供たちもいます。

些細なことですぐケンカになる、自己主張が強すぎる、場面にふさわしくない行動を繰り返してしまう、といった様子を見せることが多い子供たちは、

 

・相手の気持ちや物事の背景を読み取りづらい
・自分の行動が周囲にどのような影響を与えているかを客観的にチェックして適切に修正する力が弱い

 

このような特徴を持っているのかもしれません。

背景には以下のような要因があると考えられます。複数の要因が絡み合っていることもしばしばです。

 

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1.記憶の力が弱い
以前に経験した同じようなことと今していることを結びつけられないため、何度叱られても同じことを繰り返してしまう

 

2.言葉の力が弱い
場面ごとに異なって使われる言葉の意味や、含みのある言い回しを理解しづらいため、悪気なく言われた言葉でもまともに受け取って腹を立ててしまう

 

3.自分を客観視する力が弱い
こうすればうまくいく、と自分の行動を客観的に見ることが苦手なため、指導されてもどうすればいいかわからない

 

4.身体の感覚が弱い
身体の動かし方やボディイメージがつかめていないので行動が雑になり、人とぶつかったり足を踏んでしまったりしてケンカのきっかけになりやすい

 

5.情報を取捨選択する力が弱い
周囲の情報の中から、必要な情報を耳や目で掴み取ることができないので、正しく状況判断ができず、不適切な行動をとってしまう

 

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このような弱さを抱えている子供たちにとっては、そもそも相手の気持ちを考えるというスキル自体がとても難易度の高いものですし、「相手の身になって考えなさい」という声かけだけでは行動の改善にはつながりません。
学校でも家庭でも、生活のさまざまな場面で、「相手はこう考えている」「相手にはあなたの行動がこう見えている」ということを具体的に伝えてあげる必要があります。

 

特に、イラストや図、文字など、目に見える形で示してあげると理解しやすくなります。貼付した図が一例です。
その子自身が理解しやすい方法でアプローチしてみてくださいね。