『「子ども繊細さん」への声かけ』
時田ひさ子 著
SBクリエイティブ
を、読みました。
総評としては
\\ オススメ! //
以下、感想~
Here we go!!
声かけの事例が具体的!
いわゆる「繊細さん」については、昨今だいぶ市民権を得た感がありますが、この本は繊細なお子さんへの声かけのコツがくまなく書いてある!!
繊細な子ってどういうタイプの子なの? がざっくりわかるのはもちろん、
場面ごとに、子どもがこういう様子の時はこう声かけしたらいいよ、と超絶具体的に書いてあるので、単発でそこだけピックアップして読んでもめっちゃヒントになります。
・・・と同時に、ここに書いてあることを一気に全部できるようになるのは、まず無理だろうなとも思いました。
著者の先生がそのくらい繊細に細かいステップで人間関係の機微を見ておられるということですよね(ほんとすごい!!)。
だから親御さんのほうも、この本の通りにできなくても落ち込まなくて全然いいと思います。
ご自分の心に響いたところだけ、まずは一歩ずつ練習していく、くらいの感じでスタートされたらいいんじゃないかなと(^ ^)
「ただ受け止める」をどう実現すればいいか教えてくれる本
全体を読んで感じるのは、子ども自身の選択を大事にすることを重視されているんだろうなあということです。
本の中にたびたび「頷く」「実況中継する」というフレーズが出てくるのですが、
基本的には、まずは受け止める。
肯定の方向にも否定の方向にも余計なエネルギーを加えず、ただゼロの地点で受け止める。
ということかなと。
これは三輪堂の身体の原理原則でもとても大切にしていることなので、全力で共感しました。
でも、「ただ受け止める」って、親からすると実は意外と難しかったりするんですよね。
子供にこうなってほしいという願いが強く出てきたり、親自身の過去のトラウマが子供との関わりにフィルターをかけたり、不安や焦りを子供にぶつけてしまったり。。
この本の声かけ事例は、そういう、「ただ受け止める」を、実際にどう行動して実現すればいいのかを、とても繊細にわかりやすく言語化してくれていると思います。
著者の実感に満ちている本です
なんとなくですが、著者の先生は本当にご自分の体験から書いておられると思います。
実際にご自身も繊細さん&お子さんたちも繊細さんでいらっしゃるということなのですが、
この本の内容は、ただ頭で学んだ知識を並べ直して書いてるんじゃなくて(もちろん学んだ知識の裏づけもあると思いますが)、土台になっているのはご自身の実感だろうなあということが、どこからともなく伝わってくる。
そういう、自分の体験を掘り起こして言語化するのって、ただ知識をまとめるよりも何倍も難儀だと思うんですよねー。
掘っても掘っても無限に出てくる情報の、どこを切り出して、どうまとめるか。
すごくタフな仕事だと思う。
よくぞここまでまとめてくださったなあと、本当にありがたく拝見しました。
周囲に適合するためのキャラクター作り・・・って俺やないかい!!
本全体の論旨とはちょっとズレるのですが、個人的にめっちゃ「そうそうそう!」だったポイントが、210ページに書いてある、キャラクターづくりのエピソード!!
著者の時田さんご自身が、まず10歳の時に「優しくて親切で、気が利いて穏やかで、成績優秀」というキャラをつくり、高校でそれが通用しなくなったのでつくり変え、大学入学時にも社会人になった時にもつくり変えて、40代になって自分で自分の欠点や弱点を受け入れられるようになった時にやっとキャラを変える必要がなくなった、
と書かれているんですが、
これー!
まじでほんとわたしもー!!
まったく同じことを自分もやってきたので、こんなにキレイに言語化していただいて、思わず笑っちゃいました!
「周囲に適合するために表面的な人物設定(キャラクター)を変えつつ探っている」
「周囲に受容されれば自己受容し、自己肯定できると考えるためです」
という冷静な分析が、いやはや刺さりましたねえ。。。
今じゃなかったら、俺泣いてたかもしれん。。。
言葉に捉われず、関係性を信頼してあげてくださいね
著者の時田先生は、あとがきに、
「同じ言葉でも子どもによって反応が違う」
「それぞれの子どもが持つ個性や成長の段階に応じて、言葉の伝わり方や影響が異なる」
と書いておられます。
うんうん。
本当に、これだよなあ。
こういう声かけ系の本って、その通りにやればいいわかりやすさが魅力だけれど、その通りにやったからってうまくいくわけじゃないんですよね。
この本で「これはよくないよ」とされている声かけをしたとしても、それがまっすぐにお子さんの心を癒してくれることだってあるんです。
親子がどんな関係性で、
その時の2人の心がどんな状態で、
その言葉がどんな響きを持っているかで、
同じ単語・フレーズでもまったく違うエネルギーになるんですよね。
だから、もし今、繊細なお子さんとの関わりに悩んでおられる親御さんがいらしたら、一度はこの本を読んでみて、言葉の使い方など参考になるところをピックアップしてみるのはとても建設的だと思いますし、
同時に、あまり表面的な言葉に捉われすぎずに、自分と相手の心と身体を信頼してあげるというのも、大切なことだろうなと思っている次第です。
こんな方にお勧め!
・・・というわけで、感想は以上!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
- 我が子が繊細さんである
- ご自身が繊細さんである育児中の親御さん
- 繊細なお子さんと関わる保育・教育関係者
- 人間関係のコツをつかみたい
そんな方にぜひ、ご一読をお勧めします♪
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